晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

たらば通信7号 葛原岡・大仏ハイキングコース

 天気が良い休日に午前中から昼過ぎにかけて時間がとれたので、迷わず北鎌倉に向かった。春を感じるために、鎌倉を歩こうと決めていたのだ。ルートはベタだが、北鎌倉~葛原岡~大仏のハイキングコース。このコースを通して歩くのは4年ぶりか。北鎌倉から鎌倉に抜けようとして、コースの途中までは何度か通ったが。

 浄智寺の脇を抜ける前に、東慶寺に立ち寄った。縁切り寺として有名で、この寺をテーマにした井上ひさしの小説は映画化されている。ここに眠っている文士などの面子がすごい。小林秀雄西田幾多郎鈴木大拙岩波茂雄野上弥生子和辻哲郎などと、自分に興味の範囲で並べてはいるが、他にも有名どころが多い。いずれ、御朱印をいただきに拝観することにする。

東慶寺花だより (文春文庫)

東慶寺花だより (文春文庫)

 

  で、浄智寺の脇からハイキングをスタート。木陰に入ると冷たい空気が心地よい。そうそうこんな道だった、と思いながら、舗装された部分を歩くと、まもなく山道に。トレイルランですれ違った人たちも数人いたが、大仏方面から来る人たちの半数は外国人の方々。「コンニチハ」と気さくに声をかけてくる。「こんにちは」って便利な言葉だなあと思いながら、足を進めた。

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 葛原岡神社で一休み。ここで玉こんにゃくとビールで一杯と思ったら、1万円札しかなく断られた。そりゃそうだろう。前もって両替しておかなかった自分を呪った。実はハイキングを急に思い立ったので持ち金がなく、北鎌倉のATMで引き出したのだ。その時に「両替」ボタンを押しておけば、短いながら至福の時間を味わえたのに。不憫に思ったのか、ハイキング中のご婦人が「ひとつ食べない?」と玉こんにゃくの一つを分けてくれた。食べるのは、初めて。結構醤油味が染みている。次はビールとともにいただくと誓って神社を後にして、源氏山公園に寄り、また大仏に向かった。

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 コースを歩き終えると人がたくさん。高徳院長谷寺は次の機会に譲るとして、昼ご飯ついでに、お金を崩したい。長谷駅周辺はどこも高そうなので、駅前の「麺処五鉄」に入った。ここも安いって訳じゃないが、観光地だしある程度はしょうがない。五鉄ラーメンをいただいたが、ニンニクの風味がそんなに攻撃的でなく、結構いける。食べた後に、江ノ電で鎌倉に向かった。腹もふくれたし、ここを歩くという選択肢もあったなあと思ったのは、鎌倉に着いた後だ。

 鎌倉では「たらば書房」に寄って、「たらば通信」の7号があるのを確かめる。しばらく物色した後(これが楽しい)、本を買って「たらば通信」をいただく。今回は「タラバツウシン」とカタカナで書いてある。タイトルの文字に、花や葉、根があしらったデザイン。今回のテーマは「植物」に関する本だ。

 ハイキング中に、この花はなんていう花なのだろうと思うこともあって、非常にタイムリーだと思った。最近、草木や昆虫、鳥がわかる人が妙に格好良く見えるのだ。今回の「通信」は、花福ござる「おもしろ植物図鑑」、田中徹「花の果て、草木の果て」と見て楽しむ本や、バーネット「秘密の花園」、アレハンドロ・サンブラ「盆栽/木々の私生活」といった植物をテーマにした小説も紹介。柳田国男「野草雑記・野鳥雑記」は家にあるな。読んでみよう。

 紹介されていた本じゃないけど、カレル・チャペック「園芸家12カ月」を読み返すのもありか。持っている中公文庫の小松太郎訳じゃなくて、今回は平凡社ライブラリーの飯島周訳にトライしてみようか(後者の題は「園芸家の一年」)。また「たらば通信」に刺激された。これも鎌倉めぐりの楽しみだ。