晴走雨読 横鎌日記

無理しないランニング(最近ちょっと無理している)と気ままな読書について綴ります。横浜と鎌倉が中心。映画やお出かけもあり

「あなたと原爆 オーウェル評論集」

20世紀後半に毎日のように新聞に載っていた「冷戦」(Cold War)という言葉は、ジョージ・オーウェルが1945年に書いた、この本の表題作となっているエッセイが初出らしい。本の注釈でも、超大国間の戦闘なき対立状態という意味で使ったのは、彼が最初…

「翻訳の授業 東京大学最終講義」

仕事柄、翻訳めいたことをしなければいけないことがある。昔は人任せにできたが、いまは人的余裕も予算もないそうである。日→英は上手にできなくて当たり前なので居直れるが、英→日は、日本語のセンスの有無を問われているようで逆にちょっと恥ずかしい。そ…

「ミッドサマー」と「ヴェニスに死す」

嫌なものを見てしまったが、誰かとその内容を共有したくもある。そんな気にさせられたのが、アリ・アスター監督の「ミッドサマー」である。「祝祭スリラー」「白夜スリラー」とか「青空スリラー」などと形容されている。「スリラー」とのギャップを考えると…

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

ブレイディみかこさんの本が売れている。新刊の「ワイルドサイドをほっつき歩け ハマースミスのおっさんたち」の出だしはどうかわからないが、この「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は50万部を突破しているという。だいたいご主張はわかると…

Garmin Sports を使った練習

横浜マラソンは中止が決定し、湘南国際マラソンはランナーの応募を延期して、日程の変更を選択肢に含めながら開催を模索している状態。もしかしたら規模を縮小して開催する可能性もある。開催が冬となると、またコロナウイルスが猛威を振るう場合だってあり…

「詩は友人を数える方法」

なんか岩波ジュニア新書にある本のような題だが、講談社文芸文庫から出た、しっかり大人の値段の本だ。もちろん安いことに越したことはないが、読んだ後の満足度は高い。一言でいうと、「現代アメリカ版 奥の細道」か。読んでいて、これは芭蕉だなと思ったが…

「空港にて」

村上龍さんの小説を読んだ。たぶん「半島を出よ」以来。というか、他に書籍で読んだ記憶がない。いまさら「ダブル村上」のもう一方と比べるような真似はしたくないが、あちらさんのは、長編は身構えてしまって手が伸びないが、短編やエッセイなどはよく読ん…

「アメリカ語を愛した男たち」続

昔、米国出身の方の焼酎セミナーに参加して、酒のテイスティングで、オレンジ、カシューナッツ、バニラなど、焼酎や泡盛になじまない言葉で例えていたのに驚いた時があった。言われてみると、そんな感じがしてくるのが、我ながら流されやすさに情けない気も…

「アメリカ語を愛した男たち」

読むのに時間がかかってしまった。英語がらみの本なので、英文読むのに手間取ってしまった。中古本で300円で手に入れて、ここまで楽しませていただけるのはありがたい。 翻訳家であり、「探偵物語」(松田優作が工藤俊作を演じた方。赤川次郎原作じゃなくて…

「オーケストラがやって来た」

クリスチャン・メルラン「オーケストラ 知りたかったことのすべて」が読みたいと思っているが、みすず書房の書籍は高額である。相応のボリュームがあるとはいえ、6000円。消費税込みだと6600円だ。緊急事態宣言が解除され、いまでこそ図書館で借りるという選…

「豆大福と珈琲」

お恥ずかしい話ながら、珈琲にまつわるエッセイだと思って購入した。もっと恥ずかしいことに、読み進めてもまだ小説だと気づかなかった。気づいたのは5ページ目あたりである。なんだ小説なのか、と思いつつ、もしかしたら片岡義男さんの小説を読むのは初め…

「法廷通訳人」

甲とか乙とか混じった文章は苦手だ。新聞に載った判決文なんかもざっと読み飛ばす方だ。そこに外国語が絡む法廷通訳人。聞いただけで尊敬というか、羨望の気持ちが湧いてくる。でもこの本で、法廷通訳には特に資格もいらないとも知った。志望者は裁判所に連…

緊急事態宣言解除

先週の金曜くらいだろうか。25日の1都1道3県の緊急事態宣言解除がぐっと現実化した気がした。これはそんな流れなのだなと。もちろん、結果はみなさんご存じのとおりである。 金曜にコロナウイルスの影響で公開が宙ぶらりんになっていた映画の6月公開をう…

「横浜本牧・英語亭」

東京や神奈川の緊急事態宣言解除はまだ先になりそうだ。ここ数日は、神奈川の感染者の数が東京よりも多いときがある。神奈川は院内感染が目立つ。でも、よその地域の解除によって、ここらも商売を再開するところが増えてきた。再開した古書店で見つけた本が…

「狂言じゃ、狂言じゃ!」

コロナ禍の影響で、興行は軒並み中止や延期。芸で生計を立てる人たちは当然困っているだろうけど、客だって鬱憤がたまる。毎月、国立劇場の情報誌が送られてくるのだが、一通り読ませた後に、紙きれ一枚が挟んであった。「掲載されている公演はすべて中止で…

「円朝芝居噺 夫婦幽霊」

三遊亭円朝と言えば、いまも創作、改作した演目がかかる三遊派の大名跡である。その昔、1週間ほど入院した時に、円生のCDで「牡丹燈籠」「真景累ヶ淵」を聞いたことがある。入院中に怪談を聞くなんてと思うかもしれないが、外科だったので、体を動かせない…

「ケンブリッジ・サーカス」

欧米の英語圏とか、その他はせいぜい韓国くらいの事情しか知らないのだが、日本ほど、真っ当に翻訳者を扱う国はないと思ったりする。日本の小説や北欧のミステリーが英訳されても、英米の本で翻訳者の名前が表紙に載っていることなど、あまり見たことがない…

横浜マラソン2020 中止

昨日、フェイスブック上に事務局から、「横浜マラソン2020」の大会中止の知らせがあった。やはりコロナウイルスの影響である。もう11月の大会の中止が決まるのかよって気持ちだったが、2万以上の規模で、かつボランティアもたくさん参加する大会である。一…

「BUTTER」

結構迷って、買った本。柚木麻子さんがどんなものを書くかも知らなかったけど、この本が連続不審死事件の木嶋佳苗死刑囚を素材にした小説だというのは帯でわかった。いわゆるワイドショーをにぎわすような事件にはあまり興味がない。しかしながら、テレワー…

「短歌の作り方、教えてください」

歳をとったら、やってみようと思っていたことの一つが、短歌を作ることだった。が、いまだに手付かず。雑誌を買ったり、テレビをみたりはしているのだが、いまだ行動に移せずにいる。鎌倉あたりの結社に入るというのも、ちょっと格好がいいと思いつつも、結…

「一投に賭ける」

溝口和洋というやり投げの選手がいた。確かに記憶にはあるが、人となりまでは知らなかった。帯には、さまざまな伝説が書いてある。「高校のインターハイにアフロパーマで出場」「いつもタバコをふかし、酒も毎晩ボトル一本は軽い」「気に入らない新聞記者を…

コロナ禍のランニング Garmin Connect 100k ステップチャレンジ

テレワークはいまだに軌道に乗らないまま。しかし当面、このような生活が続くのだろう。今後は、大型台風など荒天が予想されたりすると、「明日はテレワークで」と切り替えられるのこともあるのだろうな。週に一、二度は気分転換になるのだが、こう続くと気…

「進化のからくり」

門外漢なので、本格的な学術書には向き合えないが、このようなエッセイだったら、なんとかついていける。進化生物学者ってロマンチストだなとつくづく思った。講談社のPR誌「本」の連載をまとめて加筆・修正を加えたもの。筆者の千葉聡氏の専門は進化生物学…

「日本ノンフィクション史」

副題に「ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで」とある。購入はやや勘違いから。実は、過去の名作の紹介がされていると思っていた。もちろん、そのような要素もあるが、実質的には、日本におけるノンフィクションの手法の歴史といった方がい…

「ブンとフン」

休校中の子供のために買った本。学校からの連絡で、おすすめという扱いだった。食いつきが悪いので、自分で読む。1970年の本なので、ネタにする芸人や感覚にのめりこめないのはわからなくもない。代わりにこちらが楽しんで読ませてもらった。この作品は、井…

「哲学の先生と人生の話をしよう」

仕事中に、朝日新聞デジタルで人生相談を読んでしまうことがある。朝日新聞がいいというよりは相談を受ける側の面子が好きだ。「悩みのるつぼ」というコーナーで紙面ではどこに載っているわからないのだが、上野千鶴子、美輪明宏、姜尚中、清田隆之の各氏が…

「にょにょにょっ記」

テレワークの日が増えてきた。会社に行かないとできない仕事もあるので、ずっと家にいるわけではないが、それでも週2、3日は家にこもっている。社にいる時は、仕事の合間に本や新聞を読む時があるのに、家でのテレワーク中は子供にサボっているのを見られ…

「野性の呼び声」

ジャック・ロンドン「野性の呼び声」を読んだ。最近、ハリソン・フォードの出演で映画化された小説である。映画化もたびたび、日本語訳もたくさんある。読んだのがずいぶん古い本で、なんとウィキペディアにも訳者の名前が載っていない。結構、レアな本を読…

「焼野まで」

大辞林によると「焼野(やけの)」には二通りの意味がある。①早春、野焼きをしたあとの野原。②大規模な火災などのため、焼け果てて荒れている所。やけのがはら。 この小説は、東日本大震災の直後に子宮体がんが見つかった村田喜代子さん自身の体験がもとにな…

「装丁物語」

懐事情で読むのは文庫か新書がメインになって、やや寂しいと思うのが装丁のインパクトが薄れること。店頭の主役がLPレコードからCDが変わった時にもそのような気持ちになった人が多いだろう。どうしてもジャケットのインパクトが弱くなる。ストリーミングな…