晴走雨読 横鎌日記

無理しないランニングと気ままな読書について綴ります。横浜と鎌倉が中心。映画やお出かけもあり

「「最前線の映画」を読む」

集英社インターナショナル新書から、また町山智浩氏の新刊が出た。これまで22冊刊行していて、町山氏の本はすでに2冊目となっている。1冊目の「映画と本の意外な関係!」が「目にウロコ」の要素を多数含んでいたので、この本の購入に躊躇はなかった。「…

「これから泳ぎにいきませんか」、二階堂奥歯さん

穂村弘の書評集「これから泳ぎにいきませんか」を買った。昨年の暮れに「きっとあの人は眠っているんだよ」(こちらは読書日記)と同時に刊行されて、懐具合が苦しくちょっと迷惑だったが、なんせ穂村弘なので無理して一緒に購入した。 最初の方は比較的短い…

月刊みすず 読書アンケート特集 2018年

今年も「月刊みすず 読書アンケート特集」が届いた。ちょうど昨年も同じ日にアップしている。2018年なので、2017年に読んだ本のアンケートである。昨年も書いているが、昨年に読んだ本であって、昨年の新刊とは限らない。 さまざまな分野の人が答えているの…

「抗生物質と人間」

一種の警告の書である。言い過ぎかもしれないが後味の悪い本だ。多くの命を救ってきた抗生物質だが、中には問題(副作用)を起こす、もしくは起こしうるものがある。短期的なものに関しての対策や知見は蓄積できてきたが、長期的な面での副作用はあまり考え…

「書店主フィクリーのものがたり」

2016年本屋大賞の翻訳小説部門で1位となった、ガブリエル・ゼヴィン「書店主フィクリーのものがたり」を読んだ。翻訳小説部門は、2012年(第9回)から新設され、2017年は、トーン・テレヘン「ハリネズミの願い」が受賞している。「書店主」を購入したのは…

「日本の詩歌 その骨組みと素肌」

ちょっと硬いかなと思いつつ、大岡信の本を手にしてみた。この「日本の詩歌 その骨組みと素肌」は1990年代にパリのコレージュ・ド・フランスで、大岡氏が行った計5回の講義をまとめたもの。外国人向けに話したものなら、平易な言葉で、かいつまんで説明して…

「その犬の歩むところ」

「IN★POCKET」の文庫翻訳ミステリーにつられた形で、ボストン・テラン「その犬の歩むところ」を読んだ。特に愛犬家というわけではなく、興味として広がったのはボストン・テランという作家そのものに対して。 年齢、性別不明の覆面作家。訳者あとがきによる…

「呼び出された男 スウェーデン・ミステリ傑作集」

あけましておめでとうございます。昨年は本の読了の数も走った距離数も停滞気味。今年は100冊/1200㌔くらいを目安にしたい。距離に関してはちょっと甘いが、今年は筋力をつけるのを目標にして、走るための体の環境を整えるのを第一にするつもり。 さて年末…

他言語ではまるで違うタイトルの小説

ある国の作品がその他の国で翻訳されるというのはよくあること。それが原題や内容を踏まえながらも、当該国にあわせたタイトルがつけられることも、またよくあることだ。米出版社Simon & SchusterのFacebookに「10 Famous Books That Have VERY Different Ti…

「傷だらけのカミーユ」

ピエール・ルメートル「傷だらけのカミーユ」を読了。これで、カミーユ・ヴェルーヴェン警部を主人公とした三部作はすべて読んだことになった。巻末の池上冬樹氏の解説によると、長編はこの3作だが、中編が残っているらしい。池上氏が言うように、これだけ…

湘南国際マラソン2017

二度目の湘南国際マラソン。橫浜マラソンに落選し、二次募集でなんとか出走できる運びとなった。好天に恵まれた大会ではあったが、走り終えて感じたことは月並みながら、「練習はウソをつかない」。かなり教訓めいた意味で実感させられた。 昨年は腰痛のため…

IN★POCKET 2017年11月号 文庫翻訳ミステリーベスト10

昨年の「文庫翻訳ミステリーベスト10」をきっかけに、定期購読にした「IN★POCKET」。書店から11月号が届き、早くも一年経ったことに気づく。今年は読者として投票するつもりだったが、翻訳もののミステリーは結局読まないままに終わった。アガサ・クリスティ…

たらば通信9号

鎌倉にある書店、たらば書店が出す「たらば通信」。9号が出ていたので、いただいてきた。外に出ると、近くの「腸詰屋」が開いていた。後ろめたい気持ちがあったが、午前中からビールを飲みながら、読ませていただく。「腸詰屋」にも外国人向けなのか、Japan…

「アマニタ・パンセリナ」

終活の一環で棚の本を読んで処分するシリーズ(?)。今回は、中島らも「アマニタ・パンセリナ」を読んだ。エンタメノンフといっても十分通用しそうな内容だ。過去に自分がはまったドラッグとの「つきあい」を、ドラッグ別に項目をたてて体験談を語るのだ(一…

橫浜マラソン2017中止に思うこと

先月28日。つまり「橫浜マラソン2017」の前日。桜木町でビールを飲んでいたら、5時頃合流してきた知人に「橫浜マラソンは中止だって」と、駅をすぐ出たところにプラカードを持っている人が立っていたという話を聞いた。「(抽選から)落ちてて良かったじゃん…

「ジェームス・ジョイスを読んだ猫」

年齢的にはまだ早いのだが、読書に関しては「終活」モードに突入することにした。余命30年ほどあるとしても、このままでは年に100冊ほどのペースでは積読を読み切れない。新刊を読むことだってあるだろうし、再読することもあるだろう。しかし、意識的…

たらば通信8号

鎌倉の「たらば書房」に行って、購入がてら「たらば通信」をいただいて帰るのがひとつの楽しみだが、ここ3カ月で鎌倉に行けたのは1度だけ。ブログの更新も滞りがち。で、先月に行っていただいた、たらば通信8号について書く。実は、8号は7月に出されて…

「われ敗れたり コンピュータ棋戦のすべてを語る」

プロ棋士とコンピュータ将棋ソフトの戦いである「電王戦」。すでに引退はしていたものの第1回のコンピュータとの対戦者は著者の米長邦夫・日本将棋連盟会長だった。その後の団体戦でも2-1でコンピュータ側の勝利となり、将棋ソフトがプロ棋士を負かすこと…

「バッタを倒しにアフリカへ」

見事な「エンタメノンフ」と言って差し支えなさそうな、前野ウルド浩太郎「バッタを倒しにアフリカへ」を読了。バッタ被害の現状、いわゆるポスドク(博士研究員)問題、モーリタニアの文化や情勢などを新書一冊に収めた好著と言える。最初は、ブログ文体み…

「語学で身を立てる」

ひょんなことから猪浦道夫という存在を知った。とある英語学習のセミナーがあり、猪浦氏とは無関係だったが、主催側が猪浦氏の著作も出版していて、それらがセミナー講師の著作とともに並んでいたのだ。「英語冠詞大講座」という本で、冠詞だけで350ページの…

「ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリー」

「鳥」「スパルタカス」「ベン・ハー」「十戒」「ウエスト・サイド物語」「卒業」「ローズマリーの赤ちゃん」「ロッキー」「エクソシスト」「カッコーの巣の上で」……。この作品群に関わっている夫婦は? ついでにもうちょっと作品名をあげていこう。「レイン…

「オレがマリオ」

今年は「サラダ記念日」刊行30周年だそうだ。そういえば、文藝別冊でも俵万智が特集というか、取り上げられていた。そのタイミングを狙ったかどうかはわからないが、文春文庫で、第5歌集「オレがマリオ」が出た。ちなみに第1歌集「サラダ記念日」から、「…

Garmin Connect 150k ステップチャレンジ

この世界にガ―ミンのGPS機器、特に腕時計タイプのランニングウォッチをつけている人は何人いるのだろうか?その中で、Garmin Connect のステップチャレンジに「参戦」している人は何人いるのだろうか。ふと、そんなことを思ってしまう。 2年前にEPSONか…

「ありがとう、トニ・エルドマン」

父親というものは、とかく娘のこととなるとくどくなったり、力が入りすぎたりすることがある。家庭や父娘(おやこ)関係によってもさまざまだろうが、この「ありがとう、トニ・エルドマン」に登場する父親のコミットの具合が尋常ではない。それでこそ、映画…

「青い鳥文庫ができるまで」

夏休みに子どもが借りてきた本を読ませてもらった。出版物のできあがるまでの過程に興味があるし、子どもと共有できる本があるのも悪くはないだろうと手に取った。まだ読んでいる途中らしく、しおりを動かせないのが面倒だったが、ほぼ小学生向けの本と思わ…

「岩波文庫創刊90年記念 図書 私の三冊」

自分の勤務地の最寄り駅は新橋。かつては駅の近くに文教堂があったが、いまでは小さい「リブロ」が駅地下にある程度。汐留までいけばもうちょっと選択肢が広がるもの、お隣の浜松町、有楽町と比べると物足りない。小さい書店に置いていない本は帰り道に川崎…

「イイネ!イイネ!イイネ!」

週末、ジャック・アンド・ベティでレイトショーを見た。クレイジーケンバンドの横山剣主演の「イイネ!イイネ!イイネ!」。この映画を見るのに、これ以上ふさわしいところはない、と勝手に決めつけてチケットを買う。本牧や伊勢佐木町をぶらつく人間の一人…

桜木町 「一ノ蔵」

存在は知りつつも、なかなか暖簾をくぐれずにいた店があった。JR桜木町駅から野毛に向かう地下道から、「にぎわい座」方面に出たところにある居酒屋「一ノ蔵」。一人で動くことが多いせいか、なんとなく「団体様」仕様の店に見えて入りづらかったのだが、…

「セールスマン」

2017年の米アカデミー賞で外国語映画賞を受賞し、昨年のカンヌでも脚本賞と男優賞を取っていた、イラン映画「セールスマン」を見た。監督はアスガー・ファルハディ。トランプ政権の入国制限令に抗議して、監督と主演女優のタラネ・アリドゥスティがアカデミ…

「快楽としてのミステリー」

少し前に「別れの挨拶」を読んだ後、「袖のボタン」「快楽としてのミステリー」(以下「ミステリー」)と続けて読み、「ミステリー」の読了後も、劇作家・山崎正和との対談「日本史を読む」を手に取り始めて、個人的な「丸谷才一ウィーク」「丸谷才一月間」と…