晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

めぐる

また浸かりたい横浜の銭湯④

複数の友人から好意的な噂を聞いて、一度行きたいと思っていた亀遊館。家からはやや距離がある金沢八景が最寄り駅。その昔、鎌倉へのトレイルの帰りに寄ってみたが、営業日だったはずなのに休館日だった(臨時休業)。昨年、「ランナー禁止令」が発令されて…

「よこはま野毛太郎 酔郷ではしご酒」

横浜の人には説明不要だろう。野毛とは横浜の酒場街の一つで、昔からオヤジどもや酒飲みの「聖地」として扱われている場所。近年若者が増えてきて、「横浜西口」化が少し寂しい気もするし、逆に後継者が出てきたようなうれしさも感じている。この本は、オヤ…

「「国境なき医師団」を見に行く」

「国境なき医師団」。1971年にフランスで発足した、医療援助団体。「国境なき~」(without borders)という惹句は何かと使い回されたりするが、やはり「医師団」がカチッとはまる。正式名称は当然フランス語で、Medecins Sans Frontieres で MFSと略され…

巣鴨湯

週に一、二度は銭湯に行く。家の風呂では味わえないような開放感といつまでも適温で保たれている湯が魅力なのだが、減少していく銭湯を応援したいと気持ちもどこかにある。巣鴨で酒席があり、時間的な余裕があったので、飲む前にひとっ風呂と、タオルもなし…

「三春タイムズ」

小田原の「南十字」で購入した本。里心ってほどではないが、東日本大震災以降、福島県の浜通り中心だった関心が県全体、東北全般に広がった気がする。名前は知っているけどよく知らない町についての本。何かの縁だと思った。 磐越東線で郡山から二駅目にある…

「懐かしい未来 ラダックから学ぶ」

「幻のユキヒョウ」を読んだのがきっかけ。「懐かしい未来」という題は、上白石萌音さんの歌にもあるようなので、あえて副題も記した。ラダックとはインド北部の地域で、インドながらチベット文化が色濃い地帯だ。ユキヒョウ姉妹さんのこの本によると、ユキ…

また浸かりたい横浜の銭湯③

これまでとは違って、サウナ、岩盤浴が揃っている銭湯だ。いわゆる健康ランド(スーパー銭湯)に近いが、公衆浴場法で「銭湯」のカテゴリーに入っている泉区「葛の湯」を紹介する。市内のほとんどの銭湯に入っているが、たぶん床面積はここが一番広い。もち…

また浸かりたい横浜の銭湯②

「サウナ語辞典」の後に、サウナがない銭湯を紹介するのも気が引けるのだが、この銭湯の印象が強かったので書くことにする。鶴見区・生麦にある「宮下湯」。サウナはないし、湯も温泉というわけでもない。履歴書的に書くと、資格・特技欄は空白かもしれない…

「サウナ語辞典」

こんな本を読んでいる暇はないのだが、手に取って読んでみるとエピソードが面白いし、イラストもいい。紙も軽くて、触った感じがいい。ランニング後に寄る銭湯にはサウナ付きも多い。たぶん月に3、4回は入っていると思う。中規模以上の銭湯だと、サウナが…

本屋「南十字」

遅ればせながら、5月のブックマーケットで話を聞いた書店に行ってみた。小田原の「南十字」。5日間JRに乗れる「青春18キップ」を有効期限内に使ってしまおうと思ったのが体を動かしたメインの理由だが、以前から一度小田原でゆっくりと時間を過ごした…

「古本道場」

道場主の岡崎武志さんの指令の下、弟子の角田光代さんが古本屋を巡って、古書を探すという一種の古本及び読書ガイド。指令は、「鎌倉の古本屋に行って、鎌倉ゆかりの作家の本を探す」「早稲田で(角田さんの)青春時代の本を探す」といった感じだ。 岡崎武志…

また浸かりたい横浜の銭湯①

走って、そのまま銭湯に直行するパターンが多い。午後3時前後に開店する銭湯が多いため夏場は避けるが、遠方にある銭湯を目的地にするのがちょっとしたモチベーションになる。長い間、風呂無しアパートに住んでいたため、銭湯依存度が高かった。 でも銭湯(…

「線量計と奥の細道」

先日の旅行で読む本は、ドリアン助川「線量計と奥の細道」が第一候補だった。なんか重いなあと思いつつ、奥の細道つながりで「わたしの芭蕉」から読み始めたのだが、この本を読むための伏線だったとも言える。この本は、東日本大震災の翌年、主に自転車に乗…

「わたしの芭蕉」

青春18きっぷで、1泊旅行をしてきた。別途料金を払えば新幹線や特急も乗れるらしいが、このきっぷ自体は普通電車用。乗り継ぎを続けているとどうしても乗車時間が長くなる。旅のお供は本。となると、本の選択に迷うことになる。これが服を選ぶよりもずっ…

「本屋のあるまち/まちを耕す本屋さん」

自費出版や自費制作といった小規模流通の本を、zine と呼ぶそうだ。はっきりした定義はわからないのだが、先日のブックマーケット「本は港」でも開催記念の zine が売られていた。出店している店を紹介したものと、地元紙・神奈川新聞の書店紹介の記事を両A…

ブックマーケット「本は港」

日曜日に神奈川の書店と出版社を集めたブックマーケットに行ってきた。題して「本は港」。小規模というか個性的な書店と出版社を集めていて、トークイベントもあった。 そんなに混まないだろうと思っていてのんびりしていたら、入場制限しているというツイー…

bookcafe フルハウス

原発事故で実家がなくなって「帰省」という言葉が当てはまるかどうかわからないが、親が近隣の施設にいるのだからそう呼んじゃってもいいだろう。実際、周りにはそう話しているし、故郷とは場所より気持ちの方が優先すると思っている。 今回の帰省で、機会が…

本屋 象の旅

ランキング参加中読書 最初はシネマ・ジャック&ベティから送られてきたチラシで見たのだろうか。新聞の記事を読んだときには存在自体は知っていたので、SNSで知ったかもしれない。とにかく横浜に新刊書店がオープンしたという報に接した。昨年11月だそ…

「山の上ホテル物語」

作家が、ホテルに「カンヅメ」(執筆に集中させるために閉じ込めること)にされたなんて文章を読むと、ホテル暮らしができてうらやましいと思ったものだ。実際はそんなのんきなものじゃないだろうけど。文豪がよく利用したことで知られるのが、御茶ノ水にあ…

「裏横浜」

タイトルにつられて読んだのは間違いない。著者の八木澤高明さんの作品も読んだことがない(ただし、「黄金町マリア」という本の題は覚えている)。自分が住んでいる地域にも触れているし、新書なら値段もそれほどでもない。という理由で手に取った。「裏」…

「丹沢夜話」

御殿場線の山北駅から大野山を登る約15キロのトレーニングコースがある。箱根駅伝に出るようなチームがよく練習しているとのこと。フルマラソン並み(以上?)の達成感があるという。いつかは体験してみようと思っていたところに、古書店で「丹沢夜話」と…

「アメリカの原点、ボストンをゆく」

随分と古い本を取り寄せて購入。本の値段よりも送料が高くついた(それでも安い)。あまり米国には興味がないのだが、なんかボストンという都市は好きになれそうな気がして読んでみた。刊行されたのが2007年11月となっている。著者の井上篤夫さんは作…

「サハラ砂漠の王子さま」「モロッコで断食(ラマダーン)」

アマゾンのキンドル本のタイムセールで思わず買った本。しかし、こちらのキンドルが旧型のせいで、写真の表示に随分と時間がかかってイライラした読書となってしまった。純正カバーや充電用コンセントのコードも劣化した状態。そろそろ買い換えないと。その…

「パタゴニア」

南極探検の本を読み、そこからやや北上してパタゴニアの本を読んだ。このような冒険物とか紀行物はハマる。コロナ禍の影響からもしれないが、外への意識が強まっているようだ。椎名誠「パタゴニア あるいは風とタンポポの物語り」を読んだ。パタゴニアという…

「詩人の旅 増補新版」

全集未収録なので、読んでみた。簡単に言ってしまえば、田村隆一はどこに向かおうが田村隆一である。読んだ感想としては、それを再確認したに過ぎない。帯にも〈ニホン酔夢行〉と書いてあるが、読み進めて頭に浮かんだのは、やはり「インド酔夢行」だ。目的…

「星野道夫 約束の川」

平凡社が出している「STANDARD BOOKS」シリーズが気に入っている。当初は、寺田寅彦や中谷宇吉郎などと理系の名文家をそろえていたが、だんだんとジャンルが広がってきた気がする。いまは第4期で松田道雄さんと星野道夫さん。今後、河合隼雄さんや吉阪隆正…

「ぼくの鎌倉散歩」

好きな詩人と言われて、頭に浮かぶのは田村隆一さんである。鎌倉には1970年から1998年に亡くなるまで住んでいた。自分が日雇いのバイトで得た金を握りしめて、鎌倉に行き始めたのは1980年代の半ば。残念ながら本人に会ったことはないが、気張る…

「本屋がアジアをつなぐ」

石橋毅史さんという人は出版ジャーナリストで、書店に関する本を数冊出しているらしい。著書は、韓国や台湾でも翻訳されている様子。ちなみに、石橋さんは「書店」と「本屋」を区別しているらしく、前者は書籍・雑誌の小売店、後者は書籍・雑誌を売ることを…

「いで湯暮らし」

コロナ禍の中だが、大船に足を運ぶ数は少しずつ増えてきた。となると、寄ってみたいのはポルベニールブックストア。入ったからには1冊は買って帰りたいと思っている。しかしながら、困ったことに自分と趣味が近いのである。予算がさほどあるわけでもない。…

「寿町のひとびと」

日本の3大ドヤ街の一つと呼ばれる、横浜の寿町。他に、東京の山谷や大阪の西成「あいりん地区」と並ぶ存在ということになっているが、身近な街だけに怖いという印象はもはやない(昔は多少あった)。とはいえ、知らないせいか山谷や西成と聞くと構えてしま…