晴走雨読 横鎌日記

無理しないランニング(最近ちょっと無理している)と気ままな読書について綴ります。横浜と鎌倉が中心。映画やお出かけもあり

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「ストーカーとの七〇〇日戦争」

この本の中にも「人の不幸は蜜の味」なんて表現が出てきていたが、それが面白いわけではない。まあ、そのような一面もあるかもしれないが。「世界屠畜紀行」「飼い食い」で知られる内澤旬子が記したストーカー体験。実際の被害者が自ら綴っただけに、そこら…

「銀座ナイルレストラン物語」

銀座の歌舞伎座近くにあるインド料理店「ナイルレストラン」。同じ並びに3階建て以上のビルがそろっている分だけ、逆に2階建ての建物が目立つ。昭和通りと晴海通りがぶつかるところにある。ずいぶんと行っていないのだが、初めて連れて行ってもらったこと…

「藻屑蟹」

ニュースサイトでこの作家の存在を知った。赤松利市。除染作業員を経て、作家になった。すでに60歳超。若いころには年収が2千万円を超えていた時期もあったが、仕事も家庭もダメになり、東日本大震災後は土木作業員、除染作業員をして生計をたてた。サイト…

「父のこと」

吉田茂という首相がいた。「という」などとは失礼な気もするが、いかんせん時代は令和。多少の説明は必要とするかもしれない。1946年に総理大臣になり、54年まで5次にわたって内閣を組織している。麻生太郎副総理兼財務相は孫にあたる。ワンマンと称され、答…

「罪の声」

いわゆる「グリコ・森永事件」が起こった頃は20代前半だった。当時はテレビも持たず(持てず)、新聞と雑誌が情報源だった。グリコの社長が誘拐され、青酸入りの菓子が店頭に並べられ、関西弁の脅迫文が企業やマスコミに届く――。警察を手玉に取るような犯罪…

「スッポンの河さん」

帯には、「この男を知らずして、野球を語るべからず‼」とある。副題は「伝説のスカウト河西俊雄」。つまり、昭和めいたニックネームの「スッポンの河さん」はスカウトの「河西俊雄」さんのこと。語る相手は減ってきているが、野球については語る方である。こ…

「言葉と歩く日記」

「献灯使」が全米図書賞の翻訳部門を受賞して以来、多和田葉子がメディアに取り上げられる数が増えてきたように見える。これまで彼女の単行本はほぼ購入してきた。消費活動的にはファンと言ってもいいだろう。そんなに熱烈かと問われればそうでもないような…

「人よ、寛かなれ」

よくあることだが、本を整理していたら、金子光晴「人よ、寛(ゆるや)かなれ」が目にとまり、そのまま読み込んでしまった。「どくろ杯」「ねむれ巴里」などの自伝3部作は手放せないが、これは読んで売ってしまおうと。これが平成最後の読了本となった。 「…

「安倍三代」

このような本を取り上げるとなると、どうせ安倍晋三首相に対する批判なのだろうと思われるかもしれない。著者の青木理氏は現政権には厳しい姿勢で知られている。自分も言ってしまえばアンチなのだが、個人的な興味は、著者も触れているが、「ややリベラル」…

「横浜ミステリー傑作選」

伊勢佐木町に最近できた古本屋(昨年あたりか)で、河出文庫の「横浜ミステリー傑作選」を発見。迷わず購入した。残念ながら、店名は忘れてしまったが、小ぶりながら文庫・新書系の品ぞろえは悪くなかった。「鎌倉」の流れで早速読んでみた。 アマゾンで書影…

「鎌倉ミステリー傑作選」

先日、読了した有栖川有栖の本の影響だと思うが、野毛の古書店「苅部書店」で、河出文庫の「鎌倉ミステリー傑作選」を買った。植草甚一の本を買うはずだったのが、短いミステリー物が急に読みたくなり、それなら多少縁のある「鎌倉」がらみの本にしようとレ…

「短歌パラダイス 歌合 二十四番勝負」

2泊3日の京都旅行。最大の〝収穫〟はこの本に出会えたことだ。帰りに京都駅近くの Avantiというドン・キホーテやしまむらが入っているビルに入った。そこの書店コーナーに行くと、規模の割には岩波の棚が充実していた(ちなみに文春文庫も揃いがよかった)…

「有栖川有栖の密室大図鑑」

この手のタイトルに弱いのだ。先日、京都・嵐山に行った時に小田原で東海道線から新幹線に乗り換えたのだが、その際、ふと思い立って買った本。京都ならミステリーだろうと。二時間ドラマの見過ぎなのかもしれないが、発売されたのはわかっていて、小田原の…

「〈いのち〉とがん」

副題は「患者となって考えたこと」。筆者はNHKで番組制作に携わっていた坂井律子さんだが、すでに亡くなっている。膵臓がんが原因だ。副題の通り、患って感じたこと、考えたこと、勉強したこと、憤ったことなどが書かれている。人に伝えることを仕事としてき…

「白い孤影 ヨコハマメリー」

メリーさん。 初めて目にしたときは、ギョッとしたはずだが、その記憶はない。彼女が「メリーさん」と呼ばれていると誰かに聞いたはずだが、覚えてもいない。たぶん最初のうちは、見た見たと友人の間で話したこともあったと思う。でも、いつの間にかメリーさ…

「横濱王」

横浜が舞台となった本を続けて読んだ。檀原照和「白い孤影 ヨコハマメリー」を読了した後、部屋に永井沙耶子「横濱王」があるのが見えて、メリーさんの話を読んだ勢いで、三渓園の原三渓が絡む小説にとりかかった。著者は、新聞記者から作家に転じたそうであ…

「遊動亭円木」

辻原登にハマった時期があった。いまなお気になる存在ではあるのだが、書評や上下巻にわたる文庫本を買って、それこそマイブームとばかりに読んでいた。当時、ぜひ読みたいと思っていたが入手できなかったのが「遊動亭円木」。品切れ状態だったのが、昨年1…

月刊みすず 読書アンケート特集 2019年

昨年に比べたら数日遅れたが「月刊みすず」1・2月号が届いた。恒例の読書アンケート特集だ。2019年なので2018年に読んだ本から選んでいる。繰り返すが、昨年の新刊ではなく、昨年読んだ本なので古い本も入っている。再び、一読してみて目立った本をあげて…

「盤上に散る」

以前「盤上のアルファ」を読んだ時に、この続編も文庫化されたら読んでみようとほぼ決めていた。それが(たぶん)ドラマ化のタイミングで1月に文庫化され、再び塩田武士の本を手に取ることになった。ちなみに「アルファ」は塩田作品の初映像化とのこと。「…

「穴あきエフの初恋祭り」

復活した全米図書賞の翻訳部門で受賞した、多和田葉子「献灯使」の文庫本が書店で平積みになっているのを見ると、ちょっと感慨深い。知る人ぞ知る作家だが、過去には作品によって文庫化されないことあった。いまでは講談社文芸文庫あたりが文庫にしてくれて…

「考える日本史」

日本史ブームなのだそうだ。出版大手は、文庫・新書といった比較的購入しやすい版型で、日本史関係のラインナップをそろえている。特に中公新書が多いだろうか。 磯田道史、呉座勇一、本郷和人などの日本史研究家の本が平積みになっている。それこそ「戦国時…

「すいません、ほぼ日の経営。」

経営にはまったく興味がない。いわゆる経済系の本も読むことはないが、糸井重里と電車内の広告につられて読んでしまった。「企画書や会議はいらない」「金曜は自由行動」が心に刺さった。糸井重里という存在は一緒のあこがれである。実際はどうかしらないが…

TSUTAYA BOOKSTORE 新山下店

前回に引き続き、書店の開店で書かせてもらう。いまどき、TSUTAYAなり蔦屋なりがオープンしても珍しくはないかもしれない。しかし、この7日に開店した先はかつて20年ほど住んでいた新山下。昔、宇徳などの倉庫だったところは開発が進み、マンションやら大型…

大船の新刊書店 ポルベニールブックストア

大船に新刊書店ができたと知って早速行ってみた。書店もチェーン展開している大手は生き残っているが(それなり大変だと思うが)、いわゆる町の書店は減るばかりだ。 そんな中、新刊書店が大船にできると知った。鎌倉市も活動エリアに入っている本好きとして…

「王とサーカス」「真実の10メートル手前」

書店で気になる存在だった米澤穂信。何か一つ読んでみようと思っていたが、ミステリーの賞で3冠を達成した「王とサーカス」が文庫化されたのを機に購入した。正直、ここまで夢中に読まされるとは思わなかった。残り250ページくらいはほぼ一気読み。近年、こ…

「クイーン・オブ・ザ・デイ クイーンと過ごした輝ける日々」

映画「ボヘミアン・ラプソディ」が大ヒット中。興行収入も日本のみで50億円を超える勢いだという。テレビなどでも、第3次クイーンブームなどと報じている(2次っていつなのだ?)。そんな雰囲気に乗せられてか、ついついクイーン関連の本を読んでしまった。…

「うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間」

周りにもいたので、それとなくどんな症状かはつかめている、と思いつつ、でもわからないうつ病。自分がかかってみないと…いう部分はある。同僚にいたこともあるし、同じフロアで働いていた人が自殺してしまったケースも一度ある(25年くらい前だったと記憶す…

「読書の価値」

書店の講談社文庫の棚を見ると(著者別の棚になっているところも)、森博嗣のグレーの背表紙が並んでいるのに圧倒される。しかも、一冊が厚い。あれを見て、あえて森博嗣を征服したいと思うのは相当な強者のはずだ。存在を意識しながらも、手をつけるにはひ…

「コンビニ人間」

村田紗耶香「コンビニ人間」が文庫化されたので読んでみた。帯によると、18ヵ国語に翻訳されるとのことだ。紀伊国屋書店でも、「Convenience Store Woman」として英語版(米語版?)が売られていた。 会社勤め歴なし、彼氏&男性経験なしの36歳。コンビニバ…

たらば通信12号

そろそろ13号が出るので、7月に出た(と思われる)12号について書いておく。今月は3度鎌倉に行けたので、たらば通信12号をゲット。たらば書房に寄れると、鎌倉に来たという気がする。「ツバキ文具店」を読んだ後だったので、作品に登場した由比ガ浜方面の店…