晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

たらば通信5号

 鎌倉のたらば書房が出している「たらば通信」はどうやら季刊のようである。たぶん、仕事の合間に作っているので厳密に季刊のペースを守っているかどうかはさだかではないが、目安として季刊なのではないか。今回、本を購入した際にいただいた5号には「二〇一六 十」とあり、4号は「7」の数字があったと記憶する。次が1月に出ると思うと、ちょっと嬉しい気もする。

 5号の特集は「人生の記録」。細々と書くつもりはないが、メイ・サートンブローティガン山下清内澤旬子などの日記や紀行文といった本が紹介されている。読んだ事があるのは、多和田葉子「言葉と歩く日記」くらいかな。俯瞰しているとまでは言わないが、日本語と少し距離を置いた感覚で書ける人。ドイツをベースとしてドイツ語で書くことも多いせいか、そもそも言葉遊びの才に長けているのか、日本語から幽体離脱したような文章を書く作家だ。たまに入り込めないときもあるが、ドイツ語による執筆もあり、現地でも文学賞を受賞されるなど、他言語に翻訳もされている。村上春樹とは別アプローチの国際的な作家と言える。

 

言葉と歩く日記 (岩波新書)

言葉と歩く日記 (岩波新書)

 

  堀江敏幸「なずな」も紹介されていた。これは積読中。生後間もない子を預かった中年男性の話で、子どもが小さいときに思わず買ってしまった本だ。これは正月休みでも読んでみようかと思っているところ。知らなかったが、たらば通信によると単行本は著者自装だそうである。

 

なずな (集英社文庫)

なずな (集英社文庫)

 

  今回、たらば書房では、他では入手が困難な岩波文庫や新書を一通りチェック。文庫版の「吾妻鏡」も不揃いながら置いていたが、これは刊行中断中のようである。鎌倉には1月3日に行く予定。たらば通信の6号が出ていればいいが、年末年始で忙しいだろうし、緩く期待して行くことにする。