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晴走雨読 横鎌日記

無理しないランニングと気ままな読書について綴ります。横浜と鎌倉が中心。映画やお出かけもあり

「考える人」休刊、「『考える人』は本を読む」

 新潮社の季刊誌「考える人」が休刊となった。定期購読誌の側から「別れ」を告げられたのは初めてではないが、あふれてくるネットからの情報や失速している新聞から離れ、一服できる媒体だっただけに残念至極である。昨年春の値下げを伴うリニューアルは危機の表れとは思ったものの、一方で数年は続けてくれる覚悟とも解釈していた。

 最終号の特別企画をながめてみると、最初に購入したのは7号の「大人のための読書案内」か。その後、17号「戦後日本の『考える人』100人100冊」や20号「短編小説を読もう」などと、書籍を特集したものをつまむように買い求め、24号「海外の長篇小説ベスト100」から定期購読した。

考える人 2017年 05 月号

考える人 2017年 05 月号

 

  この雑誌から生まれた、俵万智の短歌本や梨木香歩の紀行文、山本貴光「文体の科学」、森田真生「数学する身体」など興味を広げてくれた本は多く、このような源流が失われるのは、個人的には読書の「環境」問題とも言える。

 二代目編集長の河野通和さんの時から始まったと思う、メールマガジンも仕事の合間に読むのが楽しみだった。デスクワークに疲れたときに、しばし別世界へ行かせてもらっていた。ちょうど昨日、新編集長の「Webでも考える人」メールマガジンが届いたが、正直、前任者に遠く及ばない印象。まだ単なる自己紹介なので、次回以降に期待したいが、河野氏と同レベルを求めるのは酷かもしれないので、それなりのカラーを出してくれればと思う。

 河野氏メールマガジンからは現在のところ2冊が書籍化されているようだ。ミシマ社から刊行された「言葉はこうして生き残った」、そして角川新書の「『考える人』は本を読む」。後者を読んでいるが、メールマガジンの中で、読書や仕事、言葉などテーマに25冊を選んでいる。過去にすべて読んでいるはずだが、なぜか新鮮。メールマガジンで紹介された本もいくつか読んでみたが、今回もまた注文してしまった本がすでに2冊ある。「考える人」の余韻にもう少し浸ってみることにする。

 

「考える人」は本を読む (角川新書)

「考える人」は本を読む (角川新書)