晴走雨読 横鎌日記

無理しないランニング(最近ちょっと無理している)と気ままな読書について綴ります。横浜と鎌倉が中心。映画やお出かけもあり

第31回こはるパラダイス

 立川こはるさんの高座を見に行った。彼女を見るのはたぶん3度目。野毛のにぎわい座の地下2階にあるのげシャーレなる小会場でやる独演会に「こはるパラダイス」なるタイトルがついている。2度は高円寺で見たと記憶する。せっかく地元に来ているので見ちゃおうということで、三幸苑に寄ってビールと餃子でサクッと夕食をすまし、のげシャーレへ。

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公演開始20分ほど前。ご本人の写真はありません。ホームページなどでご確認ください

 思ったよりお客さんが入っている。70人くらいか、もっといたかも。出てきた本人の弁によると、7月に「セブンルール」という番組に出てからグッとお客さんが増えたとか。整理券を持った人が多くて、なんとなく気後れしていたが、多くは新しくついた客なのだな。まあ、中には長い間彼女を追ってきたファンもいるのだろう。聞こえてくる会話の端々に、立川こはるへの愛情?の深さを感じるものがあった(発言者は女性)。

 さて、開口一番というべきか、前座は立川談洲さん。「だんす」と読むらしい。線が細く、いかにも軽そうな雰囲気。「若旦那」をやると上手そうである。2017年に談笑一門に入門。12月には二つ目に昇進するらしい。実はプロフィールをググって、2017年に入門したことを知ったのだが、こやつ結構筋がいいのかもしれない。掛けたのは「湯屋番」。最初の15分までと時間が決まっていたせいなのか、時間を気にしているようであったが、色っぽさと気持ち悪さが同居していて悪くない。いやいや結構好きだと言ってもいい。昔、喬太郎師匠に感じたものをちょっと感じた(ほめ過ぎか)。機会があったら、聞いてみたい。

 もちろん目当ては、立川こはるさんである。今回の公演で「欧州公演道中記ニ〇一九」を語って大いに笑いを取ったのだが、実は過去の2回はその欧州公演のための落語会で彼女の噺を聞いたのだった。ここのところ落語家の欧州公演はずっとあって、この時は一之輔師匠が目当てだったが、そこでこはるさんの噺を聞いた。

 ただこの欧州公演は、英語や渡航先の言語でやるわけではなく、日本語でやったものを字幕で伝えるというもの。日本語の響きみたいなものも味わってほしいからだという。字幕に合わせるとなるとアドリブはなし。字幕に合わせて事を進めるとなると、落語家にとっては多少窮屈なものにならざるをえない。同じように喬太郎師匠も、欧州公演用の噺をやりながら「自由にしゃべりてえ~!」と叫んでたっけ。

 そのせいか、以前の2回の公演では彼女の魅力が今一つ伝わらなかった気がする。こはるさんの芸は女性ながら「男前」とも評されるが、やはり枠に縛られない形でやった、今回の噺の方がずっと良かったと思っている。今回、立川こはるさんの噺を初めて聞いた、と言ってしまっていいかもしれない。

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第31回こはるパラダイスの演目

  最近、女性の落語家も増えてきて、昔の桂小文さん(現:右團治)のように「男」のように演じる落語家がいれば、女性らしさを隠さない(押し出す)落語家も出てきた。右團治さんは今の方が女性らしい雰囲気がある。小文時代は、ストイックな雰囲気があった。こはるさんの場合は「男前」なので前者に属する気がする(本人がその気じゃないのなら申し訳ない)。しかし、今の二つ目って本当に活動的だなと感心する。自分でやる場所を開拓しているって感じがする。久しぶりに生で落語を聞いた。また、行ってみよう。