晴走雨読 横鎌日記

無理しないランニング(最近ちょっと無理している)と気ままな読書について綴ります。横浜と鎌倉が中心。映画やお出かけもあり

「ぼくには数字が風景に見える」

 軽々しいが、この本を読むと、アスペルガー症候群はともかくサヴァン症候群にはなってみたい気がしてくる。辛かった時期のことも書かれていて、この「僕には数字が風景に見える」に割かれているページ数よりも長く感じたことだろうとも思うが、それを乗り越えたポジティブなトーンで書かれているので、読後感がすごくいい。

 ダニエル・タメット氏は1979年、ロンドンに生まれる。「英国のレインマン」とも呼ばれ、2004年には円周率を2万2514桁暗唱(のちに2965桁目に間違いがあったことが判明)。10言語を操るというが、自らも人工言語を創作しているという。安易な言葉を選ぶと、天才である。その自叙伝がこの本だ。

ぼくには数字が風景に見える (講談社文庫)

ぼくには数字が風景に見える (講談社文庫)

 

  解説や他のレビューでも散見されるが、やはり、数字を見て、色、形や感情が浮かんでくる「共感覚」が言語化されているのが、この本の特徴だろう。そうじゃないと、凡人にはわかりえない部分がある。原題は、Born on a Blue Dayと、青の日に生まれてとある。1971年1月31日に生まれたそうだが、日付よりは曜日(水曜日)が青色なのだそうだ。うーん、まったくわからん。水は透明だけど、イメージとしては青いが…。こじつけただけ。

 主人公は、累乗計算が語学習得にも才能があり、それを見出していくが、やはり家族や先生のサポートも大きい。最近の言葉で表すと〝忖度〟ができないがうえに、トラブルを起こすこともあるが、(時に怒るものの)温かい目で本人を尊重していたのも大きいだろう。

 相手の感情などの解釈には時間がかかるが、そのようなものだとインプットされるとそれなりに抑えが利くようになる(完全じゃないようだが)。青年期以降は自分の長所を伸ばしていこうという意識を感じた。後半はサクセスストーリーに属する本と言っていい。