晴走雨読 横鎌日記

無理しないランニング(最近ちょっと無理している)と気ままな読書について綴ります。横浜と鎌倉が中心。映画やお出かけもあり

「ローマ法王」

 フランシスコ法王が23日に来日する。ローマ法王の来日は2代前ののヨハネパウロ2世以来だという。今の法王は清貧で飾り気のない人物として、人気が高いという。キリスト教関連の本を読んだ後でもあるし、この本も法王来日に合わせて出版されたものであろう。著者は竹下節子さん。バロック音楽奏者だというが、キリスト教関係の著書が多い。

ローマ法王 (角川ソフィア文庫)

ローマ法王 (角川ソフィア文庫)

 

  ローマ法王には、教皇バチカン(この本では、ヴァティカンと表記)の元首など、様々な肩書がある。言ってしまえば、カトリックのトップなのだが、その影響力は外交にも及ぶ。フランシスコ法王が、米国とキューバの関係改善に一役買ったという。この本は法王の影響やバチカンのことなどを教えてくれる。キリスト教の動きを中心とした世界史の復習にもなった。このように、数十年前、このようにキリスト教を軸に西洋部分を整理できていれば、もっといい点数がとれていたはずである。その頃は歴史を俯瞰する力が劣っていたが、こうしてみると歴史って面白いなと再認識させられた。

 しかしながら、一番面白いところは、第4章の「ヨハネパウロ二世と歴史の激動」ではないか。さながら、スパイ小説のようである。ヨハネパウロ2世はポーランド出身なのだが、ポーランドという国はほとんどの人がカトリックであり、その意味ではいわゆる西側諸国や資本主義と近い存在だったというのだ。本名・カロル・ヴォイティワが法王になった時期と、ワレサが率いる「連帯」の長期ストと時期が重なる。カトリックだったレーガン米大統領(当時)は、対ソを見据えながら「連帯」を支えていたという。この法王とレーガンはどちらもテロリストに狙撃されていて、その意味でも縁が深い。法王、宗教という切り口から、東欧崩壊につながる動きが見えてきて、非常に新鮮だった。しかし、この部分はカール・バーンスタイン、マルコ・ポリチの共著によるところが多いらしい。バーンスタインは「大統領の陰謀」などの本も有名な米国のジャーナリストだ。この部分だけ、浮いていると言っていいくらいトーンが違う。

 現在のフランシスコ法王で266代。駆け足でたどった部分もあるだろうが、ポイントとなる法王は頭に入ったつもり。この世界も結構面白い。