鎌倉市内ながらずっと大船止まりで、北鎌倉や鎌倉まで足を延ばす機会がなかった。飲むとなると、価格や店舗の数でどうしても大船に分がある。ここ数年の大船には勢いすら感じる。
しかしながら、その間に気になっていたのが、鎌倉駅近くのたらば書店である。特に古い岩波文庫や岩波新書が欲しくなると、あそこには置いてあるかもと思ってしまう。ここのところ、岩波文庫の青で探している本があったので、余計に気になる存在だった。
また大船で飲み会を予定していたのだが、1時間ほど時間ができたので、急遽鎌倉に行くことにした。年内にたらば書店に顔を出したい。久々に店舗に入ると、この書店が季刊で出している「たらば通信」が17号になっていた。ブログのネタにしていたのが、12号までだったので、およそ1年ほどご無沙汰していたようである。レジの前にはちょっとした変化が。クレジットカードが使えるとの、カード会社のロゴの表示があった。もしかしたら以前から使えたかもしれないが、ここまでアピールはしていなかったと思う。これはヤバいなあ。財布のひもが緩みそうである。棚をのぞくと、欲しい本がたくさんある。
さて、「たらば通信」。今回は「秋の自由研究」として、堀秀道「鉱物 人と文化をめぐる物語」から派生していた本を紹介している。個人的には、弱い分野でもあるし、それ故に興味が出てくる可能性がある分野でもある。こういった特集は危険だ。
派生図は宮沢賢治やゲーテ、宝石などに関連する本へと延びている。「宮沢賢治の地学教室」という本がある。地学の基礎を宮沢賢治の作品を引用しながら解説しているという。面白そうだ。著者の柴山元彦氏には「宮沢賢治の地学実習」という本もある。
石を集めるとなると有名なのが、つげ義春「無能の人」。このように暮らしたいと思いつつ、そこまで自分を解放できない。あこがれもあるが、そこまで世間からズレる自分に歯止めがかかっている部分がある。
小川洋子「琥珀のまたたき」も手に入れやすそう。これも読んでみようかと思いつつ、こんな感じで積読が増えていくのだろう。顰蹙を買っているのでほどほどにしないと。
17号には「本ヤのハナシ」として、書店に届く段ボールのバンドの色で、荷の種類がわかると書いてある。青と緑が新刊で、注文品は、電話注文などが黄、PC経由が紫、文庫・新書やコミックがピンクだそうな。縁がなさそうだが、書店好きとしてはちょっとうれしい情報だ。