晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

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「志ん生の食卓」

正直、古今亭志ん生の高座は見たことない。1973年に亡くなっているので、見たとしてもテレビだろう。当時は、落語という芸すら認識していなかったと思う。息子の志ん朝はなんとか生で見ている。江戸を体現した華のある落語家だった。父親の方はもっぱらCDで…

「ルポ川崎」

中1男子生徒殺害、通り魔の児童殺傷事件など、川崎というと物騒なイメージがある。自分が横浜に出てきた頃にも、浪人生が金属バットで両親を殺害する事件があった。公害問題のイメージもある。一方で、人権啓発などで他をリードしている自治体というイメー…

「日本ミステリー小説史 黒岩涙香から松本清張へ」

日本はミステリー大国だそうだ。他に読める言語が英語と韓国語しかないので、よその国の充実度はわからないけど、たぶん間違っていないと思う。ミステリ―は欧米から入ってきたものだが、翻訳や翻案の過程で独自の広がりを見せた。家にいる時間が長くなり、二…

「カディスの赤い星」

いまごろなんだが、古本屋で急にこの本に呼ばれた気がした。30年ほど前に友人から薦められた記憶があったが、当時は趣味じゃないと思ってやり過ごしていた。ここ10年くらいはクラシックギターのCDもよく買うようになったし、家にいる時間が長いせいかラ…

「ケーキの切れない非行少年たち」

ベストセラーと呼ばれる本に食指が動くことはあまりないのだが、「ブックオフ」でもう一冊くらいは(予算的に)買えるかな、と思っていた時に目についた。タイトルで釣っている気がして何となく避けていたが、読んでみると売れた理由がわかった気がした。漫…

「四十一番の少年」

帯に、「十二人の手紙」の次に読みたい衝撃作、と書いてあったので、素直に読んでみた。井上ひさしさん自身が、幼少の頃にカトリック系養護施設に入った経験がある。その意味では、自伝的作品と言えるだろう。作品に登場する「ナザレト・ホーム」では、収容…

「土葬の村」

日本で火葬される割合はほぼ100パーセントだそうである。これまで半世紀ほど生きてきたが、火葬以外で葬られたケースに出くわしたことはない。しかし日本だって昔は土葬だった時代があり、その風習が残っていたっておかしくはない。むしろ火葬が禁止され…

「最速で体が変わる「尻」筋トレ」

ランニングとは直接結びつかないが、大きい筋肉を鍛えるのが減量の近道だということは昔から聞いていたので読んでみた。大きい筋肉と言えば、お尻の筋肉が一番大きい。一番大きいところから対処していくのは、効率的なことではある。本書では、鍛えるとなる…

「十二人の手紙」

駅構内の書店で、井上ひさし「四十一番の少年」を買った。新潮、文春、講談社、角川あたりの文庫は、中公やちくまあたりと比べると割と安価で買えるので、手が伸びることが多い。その本の帯に「『十二人の手紙』の次に読みたい衝撃作」とあった。そういえば…

「アイデンティティが人を殺す」

刺激的なタイトルだ。やや乱暴なまとめ方をするなら、あまりアイデンティティに拘泥すると(特に、国家や宗教)、紛争につながりかねないという意味か。 もしくは、アイデンティティをコミュニティーや、誰それとの血縁関係レベルまで突き詰めていくと結局は…

「草野心平詩集」

食に関するエッセイ「酒味酒菜」を読んで、草野心平さんの詩集そのものが読みたくなった。岩波文庫で持っていたはずだが、積読の山に隠れて見つからない。ハルキ文庫から、同名の本が出ているのは知っていたので、ダブりは多いだろうが、そちらを買って読む…

「ボクシング日和」

小説は一度も読んだことがないのに、エッセイだけに手が伸びる。購入しているだからいいだろうとは思いつつ、角田光代さんにはちょっと申し訳ない気がしている。映画化されているのはそれとなく内容がわかっているのでなかなか手が出ない。それでいて、どん…

「宮沢賢治のオノマトペ集」

ひょんなことから、宮沢賢治を読む機会があった。わざわざ本を購入しないまでも、教科書で作品が紹介されているので、宮沢賢治に全く触れずに大人になるというのは難しいはずである。短い作品を2、3つ読んで数日して、ふと書店をのぞいてみると、この本が…

「酒味酒菜」

東日本大震災から10年。被災者を家族に持つ者としては、相当の本を扱うべきだとも思ったが、講談社刊「福島第一原発の真実」は大著で読み終えるどころか、まだ手をつけていない。片山夏子「ふくしま原発作業員日誌」は読んでいる最中。で、郷土の詩人の本…

「荒野の古本屋」

帯を見て買ってしまった本。「荒野の古本屋」というタイトルもかなり魅力的だが、著者の森岡督行さんは勝手ながら知らない人。帯を読むと、どうやら銀座で古書店を開くことになった人の話のようだ(と最初は受けとめた)。銀座の古書店?どこだろ? 銀座、新…

「おばちゃんたちのいるところ」

知り合いから面白いという評判を聞いて購入した。いやいや満足しました。途中から、落語をモチーフにした作品があるのは気づいていたけど、17作品すべてが落語のほかに民話などから発想を得ていたとは。収録2篇目は「牡丹柄の灯籠」というタイトルだし、…

「庭」

出だしは普通の話と思えるのに、着地点は予想したところとは別な場所。小説なんてみんなそんなものだろうと言われそうだが、小山田浩子さんの物語はその意味では非常に小説らしい気がする。昔、「工場」を読んだときは、安部公房みたいだなという印象が持っ…

「日本のいちばん長い日」

半藤一利さんが1月12日に亡くなった。さほど熱心な読者ではなかったが、これまで気になる本や記事は読んできた。半藤さんの歴史へのアプローチは信頼できると踏んで、日本の近代史に関しては、かなり「受け売り」をしている。映画にもなっているし、内容も…

「片隅の人たち」

自分の好きな作家や随筆家、詩人には、早川書房と縁があった人が多い。常盤新平さんもその一人だ。「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン(EQMM)」の3代目編集長であり、アーウィン・ショー「夏服を着た女たち」などの翻訳者でもある。手がけた翻訳…

「港の人」

まぎらわしいが、「港の人」という鎌倉の出版社が出した「港の人」という題の詩集を買った。昨年末に買った、田村隆一さんの本が「港の人」から出版されたものだった。その後、ねじめ正一「荒地の恋」にぶち当たり、そこで北村太郎さんという詩人の存在がよ…

「編集長の条件 醍醐真司の博覧推理ファイル」

文庫化されたので、即買いして即読み。こういう形でざっと読めると、自分にもまだそれなりの集中力と体力が残っていることにホッとする。本がそれ相応に面白いということなのだが。 浦沢直樹「MASTERキートン」などで原作を担当した、長崎尚志さんの「醍醐真…

「豆腐屋の四季」

年末に読んだ、角田光代さんと堀江敏幸さんの対談集「私的読食録」でこの本の存在を知った。読み始めは想像以上に気が滅入る話だったが、読み進めているうちにハマってしまった。昭和という時代が少し前のように感じられた。まるで違う人生だが、自分と重ね…

「スマホ脳」

昔、電話は家や職場に固定してあるものだったが、社会人になってから持ち出せるようになり、ここ10年くらいは進化系であるスマートフォンなるものを使っている。スマホは自分の人生の後半から現れたものである。当然、人類の歴史からすれば「超新参者」と…

「力尽き筋トレ」

コロナ禍で5キロくらい太った。もともと適正体重ではなかったところに、リモート勤務が増えてきた。当初はランニングで踏ん張っていたが、腰をやってしまって8月~12月はほぼ走れず。それまで数十カ月続いた月間100キロ以上も途切れた。いやいや体重…

「空想居酒屋」

食というのは、健康維持のため以上になると贅沢の部類に入っていくのかもしれないが、高級食材にはそもそも無縁だとしても、時節にあわせて旬のものをいただくのは、たとえちょっとしたものでも気持ちを豊かにさせる。 この「空想居酒屋」。作家の島田雅彦さ…

「都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト」

鎌倉・浄智寺は源氏山ハイキングコースの入り口にあるせいか、ついつい寄ってしまうことが多い。俗的な理由でも申し訳ないのだが、拝観料が大人200円で手ごろだというのもいい。そして、その割に見どころが多い。布袋尊に行っておなかを撫でて、ご利益を…

「まっぷたつの子爵」

大好きなイタロ・カルヴィーノ「まっぷたつの子爵」が新訳で登場したので、読んでみた。カルヴィーノはイタリアの作家で、「我々の祖先」3部作の1作目。オリジナルは1冊にまとまっているという。ちなみに他の2作は「木のぼり男爵」「不在の騎士」で、「…

「こんこん狐に誘われて 田村隆一さんのこと」

「ぼくの鎌倉散歩」を読んだら、やっぱり鎌倉に行きたくなった。コロナで人出が多いと嫌なので、北鎌倉から比較的大きな通りを避けて、鎌倉駅西口にある「たらば書房」で本を買うのを目標に数時間滞在。 北鎌倉駅から円覚寺や建長寺方面に向かうのはやめて、…

「ぼくの鎌倉散歩」

好きな詩人と言われて、頭に浮かぶのは田村隆一さんである。鎌倉には1970年から1998年に亡くなるまで住んでいた。自分が日雇いのバイトで得た金を握りしめて、鎌倉に行き始めたのは1980年代の半ば。残念ながら本人に会ったことはないが、気張る…

「私的読食録」

「dancyu」に掲載された、角田光代さんと堀江敏幸さんが、「食」にちなんだ小説やエッセイ(漫画もあった)を紹介する連載が一つの本となり、その後、文庫化された。二人が交互に担当。100冊分(100食分?)が収録されている。近年、あまり「dancyu」…