晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

また浸かりたい横浜の銭湯①

走って、そのまま銭湯に直行するパターンが多い。午後3時前後に開店する銭湯が多いため夏場は避けるが、遠方にある銭湯を目的地にするのがちょっとしたモチベーションになる。長い間、風呂無しアパートに住んでいたため、銭湯依存度が高かった。 でも銭湯(…

「おいしいアンソロジー ビール」

それこそカード会社の思うつぼなのだろうが、クレジットカードで物を購入する時に、一定の金額を超えるように品数を増やしたりすることがある。コンビニでのカード決済も当たり前になり、数百円でもカードで払うのに慣れてきたのに、やや立派な店舗だと、変…

「キリスト教の核心をよむ 学びのきほん」

子どもの頃は「アーメン、そーめん」とかとバカにしていた記憶があるが、英語や世界史(特に西洋)を学ぶと、キリスト教に関する知識は無視できないものになった。それが、ここ15年くらいは、もっと知っておきたい存在になっていた。 たぶん、子どもをカト…

「検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?」

刺激的なタイトルだ。普通に考えれば、「良い側面」をアピールしていかないと政党が権力を取ることなどないだろう。歴史的に良し悪しを判断するとなると「誰の(利益の)ために」「何の目的で」「政策はうまくいったのか」などを突き詰めることが重要だ。こ…

「This is 江口寿史!!」

社会人になったあたりから漫画を読まなくなってきたが、新しい漫画について行けなくなっただけで、毛嫌いしているわけではない。漫画は好きだ。随分昔だが、月曜の朝の電車は「週刊少年ジャンプ」や「ビックコミック スピリッツ」を読む乗客で一杯だった。隙…

ありがとう Garmin、よろしく Coros

2016年からお世話になっていた、Garmin のランニング用ウォッチとお別れすることになった。エプソンから Garmin に乗り換えて、225J、235Jと2代にわたっての付き合いだった。Garmin に不満があるわけじゃない。235Jは2018年から酷使し…

「恋愛中毒」

2021年に58歳で亡くなった山本文緒さん。彼女の小説を読んだことがなかったので、「新潮文庫の100冊」にある「自転しながら公転する」を読んでみようかと思ったが、kindle unlimitedに彼女の代表作が含まれていると知って、この「恋愛中毒」を読ん…

「日々是好日」

「にちにちこれこうじつ」と読むそうだ。「好日」は「こうにち」説もあるそうだが、著者が読み慣れた方をタイトルとした。昔、通ったことがある代々木ゼミナールが「日々是決戦」というスローガンを掲げていたのを思い出した。こちらは「日々」が「ひび」だ…

「線量計と奥の細道」

先日の旅行で読む本は、ドリアン助川「線量計と奥の細道」が第一候補だった。なんか重いなあと思いつつ、奥の細道つながりで「わたしの芭蕉」から読み始めたのだが、この本を読むための伏線だったとも言える。この本は、東日本大震災の翌年、主に自転車に乗…

映画「小説家の映画」

韓国映画と聞くと、どこか Too much な盛り込みや、これでもかとばかりに話をひっくり返すような作品を思い浮かべる人も多いのでは。それでも、いろいろなタイプの作品を撮る人がいて、「何も足さない何も引かない」といった昔のコピーのような、シンプルな…

「さがしもの」

「新潮文庫の100冊」のキャンペーンの時期だ。他の出版社も同様の事をやっている。夏休みに本を読んでね、とのことだろう。いわば、名作や話題作が多いので、多くは既読だったり、持っていたり、あまり興味のない作家だったり。キャンペーンの棚を眺めて…

「わたしの芭蕉」

青春18きっぷで、1泊旅行をしてきた。別途料金を払えば新幹線や特急も乗れるらしいが、このきっぷ自体は普通電車用。乗り継ぎを続けているとどうしても乗車時間が長くなる。旅のお供は本。となると、本の選択に迷うことになる。これが服を選ぶよりもずっ…

「六本指のゴルトベルク」

またまた中公文庫を読んでしまった。ロック、ジャズ、クラシックの名盤紹介とか、音楽家の伝記など音楽物は結構読んできたつもりだったが、こういう本ははじめて出会ったかもしれない。著者は、青柳いづみこさん。この人が音楽家(ピアニスト)であり、文章…

「午後三時にビールを」

明らかに狙われている。狙われてるって誰に? 何に? 中公文庫にである。奴らは明らかに高齢の読書好きを狙っている。井伏鱒二、水木しげる、阿川弘之、里見弴、石垣りんなどなど。ここ数カ月の中公文庫から出た作家たちだ。松田青子、町田その子といった近…

「英語の路地裏」

書店で見かけて、気になるタイトルだと思った。「英語の路地裏」。副題には、「オアシスからクイーン、シェイクスピアまで歩く」とある。「オアシス」も「クイーン」もイギリスのバンドの事である。「オアシス」は社会人になってからだが、「クイーン」は子…

映画「パリタクシー」

ようやく横浜の映画館でかかったので、見に行った。ポスターとタイトルでそれとなく内容は想像できる。金策に困っているタクシー運転手は免停直前。残り2点がなくなると、仕事そのものがなくなってしまう。ストレスのせいか、表情は暗い。でも根は悪くなさ…

「シッダールタ」

ヘッセは子どもの頃に「車輪の下」「デミアン」と詩集を読んでいて、10年くらい前に「車輪の下」を読み返して、ヘッセを読むのはこれが最後だろうと思っていた。このドイツ人作家については、「車輪の下」と「デミアン」の筋さえ知っておけばいいと思って…

「森のうた」

岩城宏之さんのエッセー「指揮のおけいこ」に続き、「森のうた」を読んでみた。こちらの本は、時系列的にも出版も「指揮」よりは先。副題に「山本直純との藝大青春記」にあるとおり、東京芸術大学(本では、「藝大」と表記している)に在学している時の話を…

「本屋のあるまち/まちを耕す本屋さん」

自費出版や自費制作といった小規模流通の本を、zine と呼ぶそうだ。はっきりした定義はわからないのだが、先日のブックマーケット「本は港」でも開催記念の zine が売られていた。出店している店を紹介したものと、地元紙・神奈川新聞の書店紹介の記事を両A…

「ノスタルジックな読書」

先月下旬のブックマーケットで購入した本。著者は知らない人だが、マーケットが終了する時間が近づいていて、急いで買ったのだった。ほぼジャケ買い。何かの縁だろう。「港の人」(鎌倉の出版社の名前)で買いたかったのだが、クレジットカードが使えなかっ…

「伝説の編集者 坂本一亀とその時代」

先日、亡くなった坂本龍一さんの父が編集者だったことは知っていた。しかし、ここまでの人だったとは知らなかった。現代の日本文学史にしっかりと爪痕を残していると言えるのではないか。この評伝は、坂本龍一さんが父・一亀さんの部下だった著者に「父のこ…

ブックマーケット「本は港」

日曜日に神奈川の書店と出版社を集めたブックマーケットに行ってきた。題して「本は港」。小規模というか個性的な書店と出版社を集めていて、トークイベントもあった。 そんなに混まないだろうと思っていてのんびりしていたら、入場制限しているというツイー…

立川流落語会@国立演芸場 立川流真打昇進披露公演

久々に落語を聞きに行った。5月に国立演芸場で開催される恒例の立川流落語会。今回は、こはる改メ立川小春志(こしゅんじ)さんの真打昇進披露口上もある。落語協会あたりの真打昇進披露口上を見たことはあるが、たぶん立川流は初めて。 今回、立川流では初…

「定本 蛙」

自分の中で、詩人・草野心平の存在が大きくなってきた。とっかかりは、やはり東日本大震災と原発事故なのだが、郷里の近くにもこんな人がいたんだというところから読み始めた。先月帰省した際に、草野心平生家といわき市立草野心平記念文学館に寄りたいと思…

「指揮のおけいこ」

オーケストラの指揮者の仕事って、わかるようでわからない。とはいえ、なんとなくはわかるような気もする。これまでも指揮者関係の本をいくつか読んできたが、岩城宏之さんは初めてなので手に取った。表紙も可愛らしい。 指揮のおけいこ (河出文庫) 作者:岩…

「イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ」

光文社古典新訳文庫で読んだ。自分が kindle unlimited にお金を払っているのは、この光文社古典新訳文庫のいくつかが読めることが多い。とはいえ、なかなか元をとれていない。請求がくると、ついポチッと押して読み始めたりする。この本もそんな形で出会っ…

「やんごとなき読者」

村田喜代子さんの本に紹介されていた、アラン・ベネット「やんごとなき読者」を読んだ。簡単にまとめれば、エリザベス女王が読書にはまるという話である。著者は小説も書くのだが、劇作家がメインの仕事のようである。受賞歴は本よりも舞台の方が多いようだ…

bookcafe フルハウス

原発事故で実家がなくなって「帰省」という言葉が当てはまるかどうかわからないが、親が近隣の施設にいるのだからそう呼んじゃってもいいだろう。実際、周りにはそう話しているし、故郷とは場所より気持ちの方が優先すると思っている。 今回の帰省で、機会が…

「ともだちは海のにおい」

工藤直子「ともだちは海のにおい」(絵・長新太)を引き取った。原発事故により休館していた福島県大熊町図書館が解体されることになり、昨年から図書の無償譲渡を始めた。その残りが大野駅(大熊町の駅名)においてあり、それをいただいてきたという訳だ。…

映画「丘の上の本屋さん」

タイトルからくる先入観以外は何も情報のまま映画を見た。いわゆるほっこり系な映画なのだが、鑑賞後は久々にパンフレットを購入してしまった。なんというか、余韻にひたりたくなったのだ。失礼ながら、たぶん後世に語り継がれるような作品でないだろうし、…