晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「マグニフィセント・セブン」

 説明不要の人も多いだろうけど、黒澤明監督の「七人の侍」(1954年)が、西部劇化されたのが、6年後に公開された「荒野の七人」。で、これがリメイクされたのが日本で公開中の「マグニフィセント・セブン」だ。西部劇の映画を見るのは、あまりに久しぶり。

 勧善懲悪で単純に面白かった。水戸黄門を見終わった感じに近いか。言ってしまえば、たくさんの人が死ぬ映画(西部劇なので)ではあるが、守るべきを守りきった爽快感が勝っている。

 アントワーン・フークア監督の「七人」は、アフリカ系米国人のデンゼル・ワシントンをリーダー格に、東洋人やネイティブ・アメリカン南北戦争で戦った相手(ワシントンが北軍イーサン・ホークが南軍)など、多彩な顔ぶれだ。現代風に多様性を意識したと思われる。ただフ-クア監督は、西部劇の時代にも多民族性はあったと語っているが。

 ストーリーは単純明快で「七人の侍」「荒野の七人」を見ている人には敢えて説明の必要はあるまい。ピーター・サースガード演じるバーソロミュー・ボーグが金鉱目当てに、ローズクリークという土地に住む人々を強引に追い出そうとする。そのやり方たるや、土地を買うとはいえ値段は二束三文だし、逆らう者は撃ち殺す。そして数週間後までに判断しろと言い残して、その場を去る。そして、夫を奪われた女性と付き人の男性が、デンゼル・ワシントン演じるサム・チザムに用心棒を依頼する。チザムは仲間を集める。集まった7人の中には無法者もいるが、人のために何かできることに目覚めた彼らは自らの命を省みず、わいてくるような数のボーグの手下を相手にしていく――。

 あまり賞などに縁がある映画ではなさそうだが、映画の面白さをストレートに教えてくれる作品だ。133分が長く感じなかった。