晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

文楽「曾根崎心中」

 文楽の東京公演「曾根崎心中」を観劇。仕事上、土日しか行けないし、文楽のチケットも決して安くはない。歌舞伎よりは安いが、大勢の人間によってなりたっているのは承知のつもり。でも、事情はわかったからって、懐具合が変わるわけでもない。2月の公演は「近松名作集」と銘打って、3部からなっている。「平家女護島」「曾根崎心中」「冥途の飛脚」から、ベタだが「曾根崎心中」を選んだ。

 徳兵衛とお初をそれぞれ吉田玉男桐竹勘十郎人形遣いを担当するのが理由なのか、この第2部が人気のようで、チケット購入に苦労はしたが、なんとか1枚おさえることができた。

 演じられたのは「生玉社前(いくだましゃぜん)の段」「天満屋の段」「天神森の段」。話の説明は不要だろうが大筋を書いておくと、九平次にカネを貸した徳兵衛だが、返済期限を過ぎても返すそぶりもない。実はそのカネは伯父から借りたもの。九平次を見つけて催促をすると、借りた覚えがないと言う。徳兵衛は判が押された証文を見せるが、九平次はその判は以前になくしたもので、拾った徳兵衛が証文を偽造したものといいはる。そしてそれを遊女のお初の前で吹聴する九平次。お初と徳兵衛は心中を決意する。

 初日だったので、「天満屋の段」の咲太夫の声の出が悪かったような気がするが、それでも満足。1時間半にまとめてしまうのは、ちょっと料金が高くないかと思いつつ、スキッと終わらせるのもアリか。

 5月は「菅原伝授手習鑑」とまたメジャーどころ。国立劇場の大盤振る舞いという気もするし、呂太夫の襲名披露もある。これまたチケット取りが難しそうな気がする。