夏休みに子どもが借りてきた本を読ませてもらった。出版物のできあがるまでの過程に興味があるし、子どもと共有できる本があるのも悪くはないだろうと手に取った。まだ読んでいる途中らしく、しおりを動かせないのが面倒だったが、ほぼ小学生向けの本と思われるので、そんなに時間はかかるまい。
「青い鳥文庫」は講談社の児童書レーベル。文庫を名乗っているとは言え、新書サイズの本だ。題名の本は、青い鳥文庫がどのようにできているかのメイキング本で、登場する本や作家や編集者は架空ながら、本ができあがるまでの工程は取材をもとに書かれている。事実度は99%以上だそうである。著者は岩貞るみこ。ノンフィクション作家だが、小説も書くらしい。阪神に岩貞という投手がいるので、ちょっぴり親近感がある。図書館から借りてきた本なので、読んだのは単行本。すでに「青い鳥文庫」化されている。
人気シリーズ「白浜夢一座がいく!」の担当編集者モモタが、作家の綾小路さくらやイラストレーターの緑川カエルとともに14巻目を作り上げていくという話で、校閲やデザイナー、採算を計算する人、編集長、印刷所とつなぐ人も絡んで、リアルに話は進んでいく。
入稿が遅れたり、最後の最後まで修正箇所が出てきたりと、ありがち(想像されがち)な出来事にあわせながら、一冊の本が店頭に並ぶまでを描いていく。出版業界に興味がなくとも、本のできあがる工程に興味があれば結構面白く読める。
実は、最近読書があまり進まないこともあり、読みやすい本を読むことで調子をあげていこうという意図があった。そういった意味で、割と効果的で、今読んでいる本はいいペースで読めている。正直、青い鳥文庫の部数が気になったが、こういうのが気になるのはオヤジということかもしれない。