晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

たらば通信9号

 鎌倉にある書店、たらば書店が出す「たらば通信」。9号が出ていたので、いただいてきた。外に出ると、近くの「腸詰屋」が開いていた。後ろめたい気持ちがあったが、午前中からビールを飲みながら、読ませていただく。「腸詰屋」にも外国人向けなのか、Japan Timesを置いている。新聞として置いた後は、ソーセージなどをくるむものとして使っているようだ。まあ、英字新聞の方がおしゃれだし、日本語だと魚屋さんみたいだ。

 さてさて、9号の特集は「書く画家たち・書く絵」。いきなり、みすず書房の高額な本が紹介されている。簡単な紹介だが、手が出ない分、ありがたいとも言える。「ジャコメッティ|エクリ」。どうも、みすず書房の本は、東京ブックフェアで買う癖がついていて、開催されないとなると、古本屋を巡るほかない。本はこの彫刻家の手帖などを活字化したもの。そういえば、来年1月に「ジャコメッティ」という映画が公開されるはず。そちらでアウトラインを掴んだ方がよさそう。

 美術関係といえば、原田マハとか中島京子が頭に浮かぶ。9号で紹介されているのは、中島京子「怖い絵」。これも現在、上野の森美術館で開催されている「怖い絵展」とどれだけ関わりがあるか判らないが、中島京子が文を寄せているところみると、何かしら共通点はありそう。「泣く女篇」などと続編もある。絵画鑑賞の仕方が変わるかも。文庫になっているし、読んでみたい。

怖い絵 (角川文庫)

怖い絵 (角川文庫)

 

 見開くと額縁のようになっていて、その縁の部分にも、吉田篤弘モナ・リザの背中」からの文章が書かれている。一時期、吉田篤弘クラウドエヴィング商會にはまったことがあった。9号では、これ以外にも「小さな男*静かな声」が別ページが紹介されている。特集では、その他にも草間彌生棟方志功の本も取り上げている。絵画修復士を主人公にした柄刀一の本などは存在も知らなかった。これは一度、読んでみるつもり。いろいろなアングルがあるものだと感心する。

 表紙の「北鎌倉の庭」の文には、20年ほど前に見たオニヤンマに触れていた。子どもの頃は、オニヤンマやギンヤンマを見つけると、まるで「当たり」を見つけたような気持ちになったことを思い出す。

 イニシャルで書かれた文章に、たらば書店の人たちの顔を想像してみる。しっかりと記憶しているわけでもないし、通りかかってもわからないだろうけど。文末にアルファベットが添えてあるだけで、親近感が湧くのがちょっと不思議である。