晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「不穏な眠り」

 若竹七海の新刊が出た。古本屋アルバイト兼探偵・葉村晶シリーズで文春文庫では6冊目となる「不穏な眠り」だ。「オール読物」に掲載された4編が収録。単行本を経由せずにそのまま文庫になるのがうれしい。初版限定付録(というほどでもないが)によると、20代半ばでフリーターとして初登場(こちらは中公文庫「プレゼント」)した葉村晶は40代のようだ。最近の4冊は40代ということになっているが、半ばなのか後半なのかはわからない。

不穏な眠り (文春文庫)

不穏な眠り (文春文庫)

 

 気になるところとしては、シシド・カフカ主演でTVドラマ化されるそうである。1月24日から7回、NHK総合で放映されるらしい。「仕事はできるが不運すぎる女探偵」というのが葉村晶のキャッチフレーズだが、ドラマの方は「ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~」というタイトル。さすがに完全オリジナルってことはないだろうから、元ネタは原作から引っ張ってきてるのだろうが、どの作品が扱われるのかが気になるところ。シシド・カフカという配役の適・不適は、当人のことをあまり知らないので判断できない。ドラマは初回くらいは見ておこうかと思っている。

  故人の「お宝」の隠し場所を知っていると思われるムショ帰りの女性を依頼主に連れていく「水沫隠れの日々」、幽霊が出るというビルの警備を任される「新春のラビリンス」など4編。不運さは相変わらずだが、勝手ながら、少しばかり読みやすくなったような気がしている。