「月刊みすず」恒例の読書アンケート特集。毎年2月の初旬には手元に届き、すぐに読むのだが、今年はタイミングを外してしまいそのまま1カ月経ってしまった。各分野の識者へ、昨年読んだ(刊行されたのではなく)本を5点あげるのがお題となっているが、今回は一段とばらけている気がしている。複数の人があげている本と気になった本を紹介する。
「独ソ戦」
新書大賞2020の受賞作。そういえば読んでいなかった。資料の検証で両国側の無謀無策が明らかになっているという。これまで最大の死者数を出した戦争と位置付けられている。近いうちに読んでおきたい。
「日本社会のしくみ」
これは積読中。厚い本なので、覚悟が要る。いろいろと「改革」をしている割には、なぜか変わらない日本という社会のしくみを、雇用や教育などの観点から読み解き、「暗黙のルール」を解明する。
「オーガ(二)ズム」
まったくのノーマーク。元々「アメリカの夜」くらいしか読んだことがない。作家・阿部和重のCIAのケースオフィサーが瀕死の状態で転がり込んできた(この文はアマゾンから丸写し)。なんか面白そう。レビューの評価も高い。文庫化を待つ。
3冊を挙げたが、いずれも昨年刊行された本だった。昨年のアンケート特集で多くの人が評価していた、黒川創「鶴見俊輔伝」を引き続き選んでいる人も数人いた。繰り返すが、今年はばらつきすぎて、あまり流れが見えなかった。