歳をとったら、やってみようと思っていたことの一つが、短歌を作ることだった。が、いまだに手付かず。雑誌を買ったり、テレビをみたりはしているのだが、いまだ行動に移せずにいる。鎌倉あたりの結社に入るというのも、ちょっと格好がいいと思いつつも、結構厳しく評価する方がいらっしゃるとか…。無難なのは、雑誌や新聞に投稿することだろうと思いつつ、何年もたってしまった。結局、芸能人や一般の方の歌を、歌人が指導したり評価したりする本を読んで、お茶を濁すばかりである。今回は悪しき一例とも言えそうだ。
読んだのは単行本。文庫になっているのも知っていて、読んだら一旦処分して、また読み返したくなったら文庫を買おうという気持ちで読んだ。これも随分と積読していた。 10年物。
俵万智さんの指導を受けるのは、歌手の一青窈さん。存在と「ハナミズキ」くらいは知っている。他は、台湾にルーツがあることくらいか。ほぼ先入観なし。読んでいて思ったのは、作詞家だけに日常から言葉を持ってくる力が半端ないということ。感性という言葉で片づけるのは何かもったいない。
まず一青さんが3~5首くらい作って、それを俵さんが評価する。具体的に手を入れるというよりは、どのような意図なのか、文法としてどうなのか、ここは五七五七七に合わせた方がいいなどと返信。それをまた一青さんが改作する。この時点で完成する歌もあるが、残ったものはもう一度俵さんから指摘が入り、一青さんがまた手を入れるというパターン。
一青さんはツアー先で作歌していて、いろいろな地域を見ているのが歌に反映されて、これが結構面白い。積読の間に、結婚もされ、お子さんもいらっしゃるので、また違った歌が作れると思う。
最後に、個人的に気に入った一青さんの歌を一首。
タルタルがあるならあると言ってくれソースしたたるその2秒前
一度くらい、一青さんの歌を向き合って聴いてみようかと思った。詩集もあるのか。