晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「いで湯暮らし」

 コロナ禍の中だが、大船に足を運ぶ数は少しずつ増えてきた。となると、寄ってみたいのはポルベニールブックストア。入ったからには1冊は買って帰りたいと思っている。しかしながら、困ったことに自分と趣味が近いのである。予算がさほどあるわけでもない。それなりに迷ってしまう。大船まで来た以上は、一杯ひっかけて帰りたい気持ちもある。

 予算を決めて本を買うというのもなんか楽しい。小学生の時に、不意に小遣いをもらって、狙ったものがないまま本を買いに行く気持ちと似ている。いろいろ迷いながら、予算内の本にターゲットをさだめ、徐々に絞っていく。で、今回買ったのが、森まゆみ「いで湯暮らし」である。520円+税。この後に、買った本を拾い読みしながらビールを飲む。幸せな気分だ。「ひばり湯」に行くのもいい。本を読むわけにはいかないが。

いで湯暮らし (集英社文庫)

いで湯暮らし (集英社文庫)

 

  著書がやたら多い有名な人で、雑誌や新聞の寄稿はよく目にするが、本人の本は読んだことがない。しかも、この本の親本はみすず書房「プライド・オブ・プレイス」だそうだ。高くて手がでない、みすず書房の本が文庫で読めるのも嬉しい。

 この「いで湯暮らし」は旅のエッセイ。横浜に住む身としては、旅行と言ってもせいぜい箱根が関の山。代わりにいろいろなところに連れて行ってもらった。旅と言えないほど近場もあったけど。初めて救急車に乗ったのも旅なのか。めったに乗ることはないのは確かだが。

 佐賀の唐津、金沢、マレーシア、台湾、山形、沖縄……。いろいろなところに行くが、そこに行くのは場所が目的と言うよりも、人が目的だったりする。森さんの「守備範囲」の広さや人好きさの証明でもある。

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大船のポルベニールブックストア。勝手ながら「攻め」の姿勢が強くなった気がした。ヘイト本は置かない