晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「本屋がアジアをつなぐ」

 石橋毅史さんという人は出版ジャーナリストで、書店に関する本を数冊出しているらしい。著書は、韓国や台湾でも翻訳されている様子。ちなみに、石橋さんは「書店」と「本屋」を区別しているらしく、前者は書籍・雑誌の小売店、後者は書籍・雑誌を売ることを生業として、その仕事が宿命であった人を指すそうである。となると、冒頭は「本屋」に関する著作がある人と訂正すべきだろう。

本屋がアジアをつなぐ 自由を支える者たち

本屋がアジアをつなぐ 自由を支える者たち

  • 作者:石橋毅史
  • 発売日: 2019/08/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

  この本に出ている本屋で、実際に行った事があるのは、チェッコリと内山書店と岩波ブックセンター(現在は「神保町ブックセンター」)くらいか。最初に紹介されるのが、神保町のチェッコリ。韓国の本を置いていて、かつ韓国書籍の翻訳本もある。イベントに参加したり韓国からの本を狙ったりして足を運ぶが、輸入した本は値が張るのであまり買ったことはない。原価が記してあるので「その値段?」と思ってしまう。紀伊国屋書店の韓国書籍売り場もその意味では残念だが、原書がそんなに捌けるとは思わないのでしょうがないか。

 次は、台北の誠品書店。みんな地べたに座って本を読んでいるという。台湾の事情はあまり知らないが、韓国も昔はそうだった。ソウルくらいしか知らないので、地方はまだそうかもしれない。とてつもなく「長居」している様子で、商売としてはありがたくないかもしれないが、本が日常に入り込んでいるように見えて、なんか嬉しかった記憶がある。

 次の書店は、韓国の「森の中の小さな本屋」。ソウルからはずいぶん下る書店だ。忠清北道にある。入店は本の購入が原則だそうだ。自分が買うことで本の未来を支えるとの意識を持ってほしいとのこと。自分も、鎌倉市の「たらば書房」や「ポルベニールブックストア」に行くときは何か買うつもりなのだが、100%購入ということにはなっていない(買わないで出てきたことがあるので、もう100%にはならない)。

 その他、内山書店の話も面白い。創業100年を超える中国書中心の店だ。これで一冊の本にしてほしかった気がする。

 横浜には面白い書店が少ない気がするが、それは自分が知らないだけかもしれない。南区には野球専門の古本屋さんがあるそうだし、東横線沿いも未開拓。遠距離の旅行はいけそうもないし、近場を攻めるか。