晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「スマホ脳」

 昔、電話は家や職場に固定してあるものだったが、社会人になってから持ち出せるようになり、ここ10年くらいは進化系であるスマートフォンなるものを使っている。スマホは自分の人生の後半から現れたものである。当然、人類の歴史からすれば「超新参者」ということになる。スウェーデン精神科医であるアンデシュ・ハンセンさんの「スマホ脳」を読んだ。人間の脳の進化は、まだスマホに対応できていないそうだ。自分の子どもあたりは「デジタル・ネイティブ」などと呼ばれるが、扱いに慣れているだけであって、脳はまだスマホについていけてないのかもしれない。

スマホ脳(新潮新書)

スマホ脳(新潮新書)

 

  専門用語などは自分も咀嚼できていないので避けるが、いろいろな環境に適応してきた人間は新しいものへの欲求があるそうで、知識や情報などにはついつい反応してしまい、SNSやメールの通知にはそそられるようになってしまっているとのこと。この本によると、大人は毎日4時間ほどスマホを操作しているそうである。自分はそれなりに距離は置いているつもりだったが、将棋やチェスのアプリを使っているので、計算してみると意外と時間を費やしているようだ(長考だがスマホは見ている)。

 サンプルは少ないが、著者が行った実験の結果を見るとやはりスマホというのは人の集中力を奪いがちだそうである。そして、検索すればわかるというのは、知っていることは決定的に違うということだ。辞書の場所を知っているのと、その言葉が頭に入っているのは違う。銀行の場所を知っているのと、お金を持っているのは違う。銀行の場合は自由にお金を取り出せないけど。

 世の中にはスマホ依存に警鐘を鳴らす本がやたらと出ている。中山秀紀「スマホ以前から脳を守る」(朝日新書)、川島隆太スマホが学力を破壊する」(集英社新書)などなど。この本を読んだからと子どものスマホを取り上げたりはしないが、上手な付き合い方を模索する必要があるかも。スマホとは話が違うが、携帯電話を使うようになって電話番号が覚えられなくなった。昔は、家や学校、会社、親しい友人の家など、いくつかは頭に入っていたものだが……。

 巻末には、スマホの付き合い方が書いてある。想像できる通り、メールを見る時間を決めようとか、オフにする時間を作るとか、SNSスマホをやめてでPCでやるようにするとか。やはり、運動はいいそうである。脳からすれば散歩でも効果があるが、心拍数を上げる運動がいいそうである。「集中力を高めたければ週に3回45分、できれば息が切れて汗もかくまで運動するといい」。やってますよ~、そのくらいは。