晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「中・高校生のための狂言入門」

 ここ数年、横浜能楽堂では毎月第2日曜日を「狂言の日」として、気軽な値段(2200円)で楽しめる公演を提供している。ここのところは、10月、11月と続けて楽しませてもらっている。9月はコロナ禍で席数が制限されていて席を取り損ねたが(動き出しも遅かったが)、少し取りやすくなったか。

 11月の公演は、大蔵流の山本家。いわゆる普及公演なので、始まる前に演目の解説があるのだが、この日は解説が後回し。「鶏聟」「六地蔵」と分かりやすい内容だったので、記憶が新しいうちの後付けの解説もいいと思った。というのも、解説のために舞台に立った山本東次郎さんのインパクトが強かったためだろう。亡くなった瀬戸内寂聴さんの思い出話を交えながら作品の解説をする姿に魅了され、本の一冊くらい書いているだろうとアマゾンで検索して、この本を購入した。、漫画家の近藤ようこさんが狂言について質問し、山本東次郎さんがそれに答える形式の本だ。

 「狂言とは何か」「狂言を演じる」「狂言を見る」などの章立てで、読者を狂言の世界へといざなう。読んだ直後だとついわかった気になってしまう。様々な流派があって、演じ方などはそれぞれ異なる部分もあるようだ。どうやら山本さんは基本は基本でおさえつつ、演者からにじみ出てくるものも大事にしたいタイプではないか(と思った)。

 狂言と能の関係にも触れている。個人的に「能は眠い」。面白味がわからないというのが一番の理由だが、狂言に比べて堅苦しいと思っているきらいがある。敷居が高く感じられるということか。横浜能楽堂がやっている狂言企画のように比較的安価で見る機会があるのなら、恐る恐るその世界をのぞいてみようとも思うのだが。

 話は狂言に戻して、舞台上の動き、発声法や衣装など次に行くときのチェックポイントが増えた。流派による違いあたりも頭に入れていきたい。12月のチケットは取れるだろうか。