晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「適切な世界の適切ならざる私」

  なんとなく手に取ってしまった。たまには若い人の詩を読んでみようかと。文月悠光さん。「ふづき・ゆみ」と読むらしい。16歳で現代詩手帖賞受賞、高校3年時に出した詩集(本作)が中原中也賞を最年少18歳で受賞している。「教室」「靴の中の画鋲」「新米教師」なんて言葉が出てくると、子どももちょうどお年頃のせいか、「保護者モード」になってしまう自分がいる。

 こちらが持っているボキャブラリーとは全く違うジャンルの言葉が並ぶ。たぶん、慎重に言葉を置いているのだろうけど、言葉自体に勢いというか力強さを感じる。なぜだ。身体の描写が多いからだろうか。現代の若い人の詩ってあまり読んでなかった。ここ数年で読んだのは最果タヒさんくらいか。内容はわかるようなわからないような。刺さるような刺さっていないような。

 この詩集の刊行は2009年。高校生だった文月さんはもう三十路に突入している。高校生の時の詩は少し無理があったような気がするが、その後の詩なら、もうちょっとわかるのではないか。最近、文庫化されたエッセイも読んでみようかな。