晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「中島みゆき詩集」

 角川春樹事務所が「にほんの詩集」というシリーズを刊行している。4月から3人ずつ、12人の詩集を出す予定になっている。4月の3人は、谷川俊太郎長田弘中島みゆきという面々。谷川さんと長田さんは、改めて買う事はないかと思い、「中島みゆき詩集」を購入した。

 とはいえ、私は、中島みゆきをあまり知らない。もちろん有名な歌はいくつか知っているが、もともと洋楽志向だったために、アルバムやシングルを買ったことはない。名前を聞いて思い出すのは、彼女の笑い声である。中学か高校時代だったろうか、北海道の友人のすすめで、彼女がパーソナリティーを務めるラジオ番組を聞き、歌が持つイメージとのギャップに驚いた記憶が強く残っている。

 詩集を読んでみた。メロディーと詩が一致しないものも多いせいか、むしろ新鮮な気持ちで読めた。歌詞を読んでメロディーが浮かんでくるのは(しかもサビだけ)、「かもめはかもめ」「時代」「わかれうた」あたりか。たぶん、曲で気づく詩はもう少しあると思うがこんなものである。

 歌詩なので、サビの部分は繰り返しが多いし、詩として書かれたものに比べたら、情景がはっきり浮かんでくるものも多い。一言で、言葉が強いという印象を持った。泣き言を歌っているようでも、どこか芯に強さを感じる。いまさらながら、こういう歌を書いてきた人なのだなあと思ってしまった。

 逆に言えば、これから曲として聴く楽しみがあるとも言える。アプローチは違うかもしれないが、この詩集から曲を聞いてみるのもいいだろう。なぜか、この詩集はアイウエオ順で詩が収録されている。「愛だけを残せ」から「わかれうた」までの52篇。他の詩人もそうなのか。

 「にほんの詩集」シリーズの装丁が素敵だ。1800円じゃなくて、1400円くらいだったら、全部揃えたいくらいだ。つぎは、7月刊行の寺山修司を読んでみようか。