晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「読書会という幸福」

 元来、群れるのが嫌いな性格。当然、読書は個人の営み、というのが基本姿勢だが、最近は歳をとって丸くなってきたのか、少し気になるのが読書会だ。複数が同じ作品を読み、多角的に語りあうのも悪くないと思うようになってきた。この先、そんなに長くはないし数をこなそうと思う反面、定番の作品をしっかり味わいたいという気持ちももたげてきた。

 といったタイミングで目にしたのが、向井和美「読書会という幸福」。タイトルからして、読書会を薦める内容であることは明白だが、進め方などを参考にさせてもらった。といつつ、この本はいわゆる古典と呼ばれるレベルの海外文学のブックガイドにもなっている。主に長編のプルーストとかマンとか、なかなか手が出ない作品の。

 筆者は翻訳家で、東江一紀さんのお弟子さんにあたるそうだ。それだけで筋がよさそうである。読書会に参加する人も翻訳家など、原文に当たれる人が多数参加しているとのこと。これは作品を掘り下げるにはうってつけであろう。

 うちの近くでやっている場所はないかと探してみた。なんと、普段よく目の前を歩いているところがあるじゃないか。関内・吉田町。いまやバーやレストランが多い通りになったが、もともとが美術商などが多く、いまでも多少残っている。アート専門のギャラリーと思っていた場所で読書会もやっていたなんて。そのような目で見直すと、馬車道の方面にも一軒あったような。

 よく行くバーのオヤジと落語家を呼んで落語会をやりたいね、と話したりもするが、開店前に店を借りて読書会を開き、そのまま飲み会に入るというのもありかもしれない。

 この本を読んで買ってしまった本。高野文子「黄色い本」、アチェベ「崩れゆく絆」。そういえば、著者の向井和美さんは「プリズン・ブック・クラブ」の翻訳者だった。どこかにあったはずだな。読んでみよう。