晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「うんち学入門」

 食事中だったら、ごめんなさい。タイトル見ただけで、いろいろと思い浮かべてしまった場合も許していただきたい。しかし、この本は排泄物について、そしてその役割について書いてあるまっとうな本なので、自分の体や、食事と排泄の関係に興味のある人にはおすすめである。なかなか深いのだ。

 排泄するのはすべて生き物である。生きるために何かを食べて、そして不要になったものを外に出す。生き物の3条件とは、複製(繁殖)、代謝、進化だそうである。その中で代謝がうんちと関わりが強い。植物も不要になったものを落としていく。その意味では落葉も排泄だそうである。まるでムードがなくなるけど。

 うんちの成分であるが、80パーセントが水分で、残り20パーセントが未消化物、剥がれた腸粘膜、腸内細菌だとのこと。そして、茶色っぽい色になるのは、胆汁色素のビリルビンが作用する。最終的には、ビリルビンが変化したステルコビリンが「着色」するようである。なるほど、肝臓が機能しないでこのビリルビンが胆汁に分泌されないと血液に乗って、黄疸になってしまうのか。なかなか勉強になる。

 やたらと見かける、鳥のふん。これまでの人生で3度ほど頭で受け止めてしまったことがあるが、道路に残る白い部分は尿酸だそうである。たぶん、そうかなと思ってはいたが。

 おそらく、用を足した後にお尻を「拭く」のは人間だけであろう。これはヒトの特徴でもある直立二足歩行が一因だそうだ。哺乳類は基本四足歩行。そうなると肛門が外を向いているうえに、その周りの括約筋も発達していて、排泄物を一気に外に出せるようだ。ヒトは歩くので肛門が下を向いているし、括約筋も発達していないので、強く排泄物を出せないし肛門についてしまう。そして現代ではトイレットペーパーなどのお世話になっているということだ。

 その他、環境問題との関わりや、能動的なうんちと受動的なうんちなどこれまで考えてもみなかった話が紹介されている。「うんち君」といろいろと教えてくれる「ミエルダ」の対話で話が進むので、専門用語らしき言葉は頻発するが(自分が無知なだけかな)、かなり読みやすい本になっている。古本で百円以下で手に入れた本。これは得した気分だ。