晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「それからの僕にはマラソンがあった」

  元「暮しの手帖」の編集長・松浦弥太郎さんが書いたマラソンやランニングに関するエッセイ。サブ4やサブ3は当たり前という、いわゆるエリートランナーがじゃないところが親近感がわく。うなずきながら読んだ部分がずいぶんとあった。シューズ選びやストレッチについては、松浦さんの方が深い。

 「暮しの手帖」の編集長を務めて3年くらいたった時に走り出したとのこと。雑誌の編集をしたことがない人が編集長を務めて、つらい時期だったという(読者としては感じなかったが)。雑誌を維持するとなれば、ある程度は売れないといけない。経験をない人を制作側のトップに据える会社もなかなかのものだが、引き受けるほうも引き受ける方である。ともかく、それは大変だったろう。体に異変が生じ(帯状疱疹だったそうだが)、ストレス解消に何がいいかと思った時に、「ちょっと走ってみようか」と思いたったという。それが43歳だったそうだ。

 自分はいつから走り始めたのだろう、と思った。働いていた会社がなくなったのが、忘れもしない東日本大震災の年。それが46歳だった。新会社で残業するなと言われて時間ができたときに、ふと走ろうかなと思ったのがきっかけだった気がする。

 50歳前後だったか。サッカーをやっていたので、ただ走るだけなんて絶対にできないと思っていたが、ランニングそのものはやることはシンプルながら、実はそれほどシンプルでもない。シンプルだからこそ奥が深い部分もあり、いまでは完全にはまっている。

 松浦さんのランニングとマラソンにまつわる体験談で、あまり目新しいところはない。それでも同じような目線で、そしてランニングに関する事をまとめている。もちろん、書くという能力と目線のつけどころは松浦さんがはるかに上である。

 食事、ストレッチ、シューズ選び・履き方あたりは参考になった。わかっちゃいるけど、自分では改善できていない部分だ。特にストレッチには時間を割けていない。体幹レーニングもここ数カ月の練習で課題と感じているところである。久々のレースは12月上旬の湘南国際マラソン。ランニング関係の本を読んで、気合を入れた。