申し訳ないが、モトムラタツヒコさんというイラストレーターは知らなかった。福岡在住の方らしい。と書いているところで、NHKの朝の番組でこの本が紹介されていた。こんな偶然ってある(一人で喜んでいる)?
オープンしたての書店に行ったら(この書店については後日書く)、帯なのか表紙なのかわからないが、書影のイラストがたくさん描かれている本が目についた。ブルーザー・ブロディの本のイラストがあり、平凡社のシリーズで読んだ星野道夫さんの本、ロダーリの本もある。なんか呼ばれているような気がして、つい購入。即日読了した。
書評ではなく、絵日記であることを強調している。本そのものをイラストに描いて、周りを感想のような文章で埋めていく。個人差はあるかもしれないが、この字は読みやすい。うらやましいと思ってしまった。
大まかに本の趣味が近いだろうか。本とは別件だが、ブロディは私も好きなレスラーだった。リング上でもリング外でも、お構いなしに暴れまくる。それでいて、どこか知的なにおいもする。この本の後半に登場する「プロレススーパースター列伝」を自分も読んでいて(単行本ではなく、少年サンデーの連載で)、ブロディが新聞記者だったと知ったからかもしれないが、単純に暴れているようでどこか計算ずくなところは(プロレスだし)、その漫画を読む前から感じ取っていた。
ちくま文庫が多いか。本だけじゃない、映像作品、CD、展示会の記録なども載っている。イラストとともに手書きで書き込んでいるのが、戦車や築地市場のイラストルポで知られるモリナガ・ヨウさんを思い起こさせてくれる。たぶん、自分はこの手の本に弱いのだ。
そして、ロダーリやブッツァーティのイタリア文学。ここらは自分も好きである。そして落語。どうやら自分より少し若いようだが、ちょっと話をしてみたい気分になった。
読み終わってみると、今時珍しく新規開店した書店のラインナップに重なる部分もあるような気がしてきた。さては、店主もこの本を読んだな。と、書店も身近になったような気がしている。