晴走雨読 横鎌日記

無理しないランニングと気ままな読書について綴ります。横浜と鎌倉が中心。映画やお出かけもあり

「岩波文庫創刊90年記念 図書 私の三冊」

 自分の勤務地の最寄り駅は新橋。かつては駅の近くに文教堂があったが、いまでは小さい「リブロ」が駅地下にある程度。汐留までいけばもうちょっと選択肢が広がるもの、お隣の浜松町、有楽町と比べると物足りない。小さい書店に置いていない本は帰り道に川崎や橫浜で買うのが常だったが、出先で偶然、比較的大きな書店を見つけた。内幸町の日本プレスセンター1階にある「ジュンク堂」。多少は歩くものの、探している本がここで手に入るとなれば、足を伸ばすのはさほど苦ではない。

 前段が長くなったが、記念に一冊買い求め、ついでに岩波書店のPR誌「図書」をもらった。購読すると年1000円かかるが、書店では無料で持ち帰ることができる(もしかしたら、書店が買い取っている?)。これまで料金を請求されたことはない。しかし、この「岩波文庫創刊90年記念 図書 私の三冊」はそもそも無料のようだ。作家や文化人、学者などが岩波文庫から三点選んでというアンケートに答えている(二点だけの人もいた)。

 印象として多いのは、青ラベルか。東西を問はず思想系、哲学系のもの。ちなみに赤が外国文学、緑が日本文学、黄が日本の古典文学、白が政治経済や法律の分野。その 他、別冊(アンソロジー系)もある。青で目立つのは、「マルクス・アウレーリウス 自省録」や中江兆民「三酔人経綸問答」、白はマックス・ヴェーバープロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」「職業としての政治」「職業としての学問」あたりが目につく。

 個人的に三つあげるとすれば、どうしても赤が中心になる。青の哲学系でも入れておけば格好良いのだが、まあきちんと読めていないのがほとんどなので、それでも身近な外国文学系を選んでしまう。

 社会人に成り立ての頃によく読んだのはモリエール。安いし、面白いし、薄くてすぐ読めるし、読書の楽しみを再発見させてくれた。とりあえず「守銭奴」を選んでおこうか。まだ書店に並んでいるのだろうか。

守銭奴 (岩波文庫 赤 512-7)

守銭奴 (岩波文庫 赤 512-7)

 

  次にこれまた喜劇なので、似ている選択になるが、サマセット・モーム「夫が多すぎて」。これも戯曲だった気がするが、今となっては面白かったという記憶しか無い。ググってカンニングすると、夫の親友と結婚したが女性の前に、戦死したはずの夫が戻ってくるが、二人の夫はこれ幸いとばかりに互いに押しつけ合うという話。

夫が多すぎて (岩波文庫)

夫が多すぎて (岩波文庫)

 

  最後は、最近岩波文庫に仲間入りした、イタロ・カルヴィーノ「まっぷたつの子爵」。晶文社版で何度も読ませてもらった。戦争帰りの子爵が善と悪と二つになって戻ってきたという話。まだ岩波では読んでいないが、買っておいたのでいずれ読むことになるだろう。カフカとともにカルヴィーノは何かにつけて読んでしまう。

まっぷたつの子爵 (岩波文庫)

まっぷたつの子爵 (岩波文庫)

 

  野間宏「青春の環」も所有はしている。いつか読むことがあるだろうか。熊野純彦は二晩徹夜して読んだと言うが。いずれ大著にも挑戦せねば。