晴走雨読 横鎌日記

無理しないランニング(最近ちょっと無理している)と気ままな読書について綴ります。横浜と鎌倉が中心。映画やお出かけもあり

「八本脚の蝶」続き

 二階堂奥歯さんの日記にたびたび登場するのが、雪雪さんという方。奥歯さんより本を読んでいる人らしい。想像を絶する。現在は福島県郡山市の書店でお勤めのようだ。二人の出会いというか、ファーストコンタクトがすごい。雪雪さんが以前勤めていた書店で、奥歯さんがウィトゲンシュタインの本のPOPを書いた人を聞きに来て、それがご当人。軽くお話をして一度帰った後に、「今日いっしょに帰っていいですか?」と言いに来たとのこと。奥歯さん16歳の時。こんな出会いってあるんだな。二人はいろんなことを話し合ったという。しかし「論理哲学論考」のPOPって何が書かれていたのだろう。

 その昔、郡山駅近くのアーケード街にあった東北書店を思い出した。雪雪さんが以前勤めていたのが、ここなのかどうかはわからない。その書店は15年ほど前になくなったが、郡山の街中に出たときは、必ず寄っていたと思う。ロミオってパン屋さんも懐が温かい時は寄ったような気がしている。なんせ40年以上前の話なので、記憶はあいまいだが、東北書店はしっかりした書店だった記憶がある。脱線したが、二人の出会いが郡山だったら、より身近に感じると思っただけの話である。

八本脚の蝶 (河出文庫)

八本脚の蝶 (河出文庫)

 

  「八本脚の蝶」には、雪雪さんの他、彼女とゆかりがあった人から文が寄せられている。津原泰水さんの話も印象に残った。まだ読んだことはないが、最近「ペニス」というシンプルながら印象の強い文庫本を出した作家で、かつその前に幻冬舎の社長と悶着があったのでよく覚えている。そうか、奥歯さんは国書刊行会から毎日新聞社の出版に転職していたのか。津原さんは彼女から執筆の依頼を受けていた。改めて書店の棚をのぞいてみると、興味深い本を書かれている。おおまかに「ブラバン」という青春っぽい本と、「ペニス」路線の本とあるようだが、どちらから手を付けようか。書影的には「11」か「綺譚集」がいいような気もするが。

11 eleven (河出文庫)

11 eleven (河出文庫)

 
ペニス (ハヤカワ文庫JA)

ペニス (ハヤカワ文庫JA)

 

  昨日、書庫(というほどでもないが)を見直して、カルヴィーノシモーヌ・ヴェイユの本をとりやすい位置に出しておいた。「八本脚の蝶」を読んで、たるんでいた読書習慣に鞭を入れられた気がしている。