晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「浪漫疾風録」

以前、常盤新平さんの自伝的短編集「片隅の人たち」を読んで、当時の早川書房の雰囲気を垣間見たが、生島治郎さんのこの実名小説はその前日談と言えそう。「エラリー・クイーンズ・ミステリー・マガジン(EQMM)」の編集長は、創刊直前に辞めた人をカウントす…

「スカウト目線の現代サッカー事情」

サッカー事情となると多少詳しい気でいたのだが、スカウトの世界はまったく知らなかった。イングランドのサッカー育成網となると、日本の野球を上回っているのかもしれない。というか、日本の野球界の方は将来的な競技人口に危機感を持っているだろう。競技…

「単語帳」

「開墾地」で芥川賞候補になったグレゴリー・ケズナジャットさんの最新作「単語帳」を読んだ。一応「本」という体裁なのだろうけど、短編1作程度の分量でまとめられている。書店で見たが文庫より小さい冊子だった(自分はKindleで読んだ)。版元は動画配信…

「スーザン・ソンタグ」

随分前に読んでいたのだが、まとまらないので書くのは止めていたが、別に論じるわけでもないし、きちんと理解できていないのを認めた上でそれなりに整理しようと思い、また手にとってチャレンジすることにした。著者の波戸岡景太さん(明治大教授)は「こい…

「読書アンケート 2023 識者が選んだ、この一年の本」 

「月刊みすず」が休刊となり、1ー2月号掲載が常だった読書アンケートが単体で売られることになった。「月刊みすず」としては1部300円(+税)が、単体で800円(同)。単純比較ではえらい値上げだが、それだけの価値はあるような気がしている。冊子…

第37回小田原尊徳マラソン

小田原尊徳マラソン大会に参加してきた。2020年にエントリーしたが、コロナで中止。参加賞だけが送られてきたむなしさがあったので、今年はほぼ同時期に開催される三浦国際マラソンの方をお休みして、こちらを走ることにした(エントリー料もこちらが安…

「本は眺めたり触ったりが楽しい」

青山南さんのエッセイ。長田弘さんの弟さんで、最後に読んだのは「60歳からの外国語修行」だったか。米国では会話にも書物にもスペイン語が頻出するので、メキシコに「留学」して学んだという体験記だった。こちらはタイトルから想像できるとおり、本に関…

「言の葉さやげ」

茨木のり子さんの「言の葉さやげ」を読んだ。茨木さんの本は割と手元にあるが、この本は言葉に関する文をまとめたもの。巻末の初出一覧を見ると、所蔵の本と被るエッセイがあったけど、そもそもこの「言の葉さやげ」として本にまとめられたものだから、こち…

「「自分の木」の下で」

ふと読んでしまったのである。読み残しや積読の小説がたくさんあるのに、立ち読みしてつい買ってしまった。大江健三郎さんが子ども向けに書いたエッセイである。「なぜ子供は学校に行かねばならないのか」「子供の戦い方」など、たぶん質問を受けたわけじゃ…