晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「終わりの感覚」

数十年ぶりに友人に会うと、こちらがそれまで忘れていたことを相手がしっかりと覚えていることがある。それどころか、その相手はこちらが忘れていたことを軸に自分という人間との関係性を記憶している場合があり、(表情には出さないものの)とまどうことが…

「光の闇」

自分の中で佐伯一麦さんの存在が大きくなってきた。何か読みたいと思って探したのがこの本。文庫化された本があまり書店になく(講談社文芸文庫は高い!)、Kindleで探した。購入したときは399円だったが、今現在は1319円になっている。ここらへんの値段設定…

「不機嫌な英語たち」

学習書の一種と思ったら、小説だった。著者は、ハワイ大教授の吉原真理さん。半自伝的私小説となっている。「ふぞろいな林檎たち」のもじりのようなタイトルだが、「英語」「言語」に関わる小説だ。ある程度は「真実」と考えられるので、自分をさらけ出した…

「酒場學校の日々 フムフム・グビグビ・たまに文學」

草野心平さんが表紙で笑っている。昨年、草野心平生家や記念文学館を訪ねた自分にとっては気になる本であった。そして舞台が新宿ゴールデン街とくれば、読まないわけにはいかない。今でこそ縁遠くなったが、よく通ったところである。 金井真紀さんはテレビ番…

「不完全な司書」

奈良県東吉野村で私設図書館「人文系私立図書館 Lucha Libro」を営んでいる青木海青子さんのエッセイ。奈良や和歌山に行ったことはないが、自分の故郷の東北と一緒で田舎であるけれども、イメージとしてはもっと緑が深く、神秘的な場所のような気がしている…

「アボカドの種」

短歌は、「詠む」わけではなく「読む」だけ。特に詳しいわけでもないが、俵万智さんの歌集はずっと買っていると思う。と思って調べてみたら、「かぜのてのひら」(第二歌集)は未読だった。気にしてしまうと気になるのだが、お題は、今回読んだ第七歌集の「…

「ショパンに飽きたら、ミステリー」

昨年、「六本指のゴルトベルク」を読んで、探した本。割と簡単に見つかった。「六本指」同様、音楽とミステリーを絡めたエッセイがメイン。というか、こちらが10年以上も先なので、とりあげる本は古くなるが、自身についてのことなどにも触れられている。…

「よこはま野毛太郎 酔郷ではしご酒」

横浜の人には説明不要だろう。野毛とは横浜の酒場街の一つで、昔からオヤジどもや酒飲みの「聖地」として扱われている場所。近年若者が増えてきて、「横浜西口」化が少し寂しい気もするし、逆に後継者が出てきたようなうれしさも感じている。この本は、オヤ…

「一日江戸人」

仙台に寄った際に、地元の老舗書店で購入したのがこの本。江戸の風俗や当時の流行を、杉浦日向子さんのイラストとともに紹介している。文庫本なのでイラストの部分の字が小さくて読むのに苦労したが、それはこちらの問題。単純に面白かった。落語を聞く際に…

「人生処方詩集」

あけましておめでとうございます。 2024年の読書は、ケストナー「人生処方詩集」でスタートした。何か意味があるわけではなく、年末に読んでいて越年してしまっただけなのだ。ランニングと朝食を終えた後に、残り部分を一気に読了。ケストナーと言えば、…