晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「庭」

出だしは普通の話と思えるのに、着地点は予想したところとは別な場所。小説なんてみんなそんなものだろうと言われそうだが、小山田浩子さんの物語はその意味では非常に小説らしい気がする。昔、「工場」を読んだときは、安部公房みたいだなという印象が持っ…

「日本のいちばん長い日」

半藤一利さんが1月12日に亡くなった。さほど熱心な読者ではなかったが、これまで気になる本や記事は読んできた。半藤さんの歴史へのアプローチは信頼できると踏んで、日本の近代史に関しては、かなり「受け売り」をしている。映画にもなっているし、内容も…

「片隅の人たち」

自分の好きな作家や随筆家、詩人には、早川書房と縁があった人が多い。常盤新平さんもその一人だ。「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン(EQMM)」の3代目編集長であり、アーウィン・ショー「夏服を着た女たち」などの翻訳者でもある。手がけた翻訳…

「港の人」

まぎらわしいが、「港の人」という鎌倉の出版社が出した「港の人」という題の詩集を買った。昨年末に買った、田村隆一さんの本が「港の人」から出版されたものだった。その後、ねじめ正一「荒地の恋」にぶち当たり、そこで北村太郎さんという詩人の存在がよ…