晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「幻のユキヒョウ」

去る10月23日は「世界ユキヒョウの日」だったそうな。ユキヒョウは世界に3千頭とか8千頭とか、ロシア発の記事だと1万頭とかと言われ、正確な数字がわからない。逆に言うと、それだけ調査が進んでいないとも言える。なんてたって中央ユーラシアの高地…

「むらさきのスカートの女」

今村夏子「むらさきのスカートの女」を読んだ。彼女の本はこれで4冊目。もしかしたら、ファンなのかもしれない。この作品は芥川賞受賞作で、これまで読んだ3冊に比べると、ぐっと読みやすい。頭の中にスイスイ入っていく感じである。書いた本人はそんなに…

「むしろ幻想が明快なのである」

虫明亜呂無という書き手をご存じだろうか。名前からして印象的だが、その文章も名前に負けないインパクトがある。まとまった文章を読んだのは、玉木正之さん編集の文庫本を古本で手に入れた時で、たぶん15年ほど前が最初かと思う。こんな美しい文章を書く…

また浸かりたい横浜の銭湯③

これまでとは違って、サウナ、岩盤浴が揃っている銭湯だ。いわゆる健康ランド(スーパー銭湯)に近いが、公衆浴場法で「銭湯」のカテゴリーに入っている泉区「葛の湯」を紹介する。市内のほとんどの銭湯に入っているが、たぶん床面積はここが一番広い。もち…

「文学こそ最高の教養である」後編

では、後編。英米文学、ロシア文学とその他(日本、アフリカ、ギリシア)からだ。普段、自分は「ギリシャ」と表記するが、駒井稔「文学こそ最高の教養である」と光文社古典新訳文庫に沿って、この項では「ギリシア」にする。 前編のフランスとドイツでは、ど…

「文学こそ最高の教養である」前編

仰々しいタイトルに気圧されて敬遠していたのだが、kindleunlimitedで無料だったので(月会費は払っているが)読んでみた。光文社古典新訳文庫の編集者の駒井稔さんが、各翻訳者に話を聞くという体裁になっていて、いわばプロモーションイベントを活字化した…

「カレーライスと餃子ライス」

タイトルにつられた。「カレーライスと餃子ライス」の題が、平野甲賀さんの書体で書かれている。「日本語の外へ」もそうだったが、いかにも晶文社の本って姿である。日本のカレーは、縦横無尽というか変幻自在というか、いろんな形がある。具によっていろい…

「左川ちか詩集」

書肆侃侃房から刊行された「左川ちか全集」は気になる存在だった。左川ちかさんって、知らないし、読んだ事もない。しかし帯には、「萩原朔太郎や西脇順三郎に激賞された現代詩の先駆者」とある。となると、好きなタイプの詩人のはず、とは思っていたが、知…

「死刑について」

作家・平野啓一郎さんによる、死刑廃止についての講演をまとめたもの。講演会は、大阪弁護士会主催。平野さんは死刑廃止派。書いている自分は死刑廃止の主張に理解を示しているが、自分が被害者側に立たされた時にそのスタンスを維持できるか自信がない。こ…