晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「猫は知っていた 仁木兄妹の事件簿」

書店の棚に目に留まったのが、この本。仁木悦子さんの江戸川乱歩賞受賞作だ。たぶん、子どもの頃に一度読んだと思うが、忘却力に磨きがかかっているので新作のように読めた。1957年発表の本なので、言葉遣いが懐かしい。「上手」よりも「達者」、「レン…

「春原さんのリコーダー」

短歌集や俳句集を読みたくなることがある。なんか言葉の感性が鈍くなったなあと思う時(まあ、鈍いのだが)、長行を読むのがきつい時、別の視点で言えば、短くてもいいからグサッと刺さる言葉に触れたい時などに多い気がする。季節の変わり目にも、このよう…

第16回湘南国際マラソンにエントリー

来年に2月に予定されている湘南国際マラソンにエントリーした。横浜マラソンは参加費の高騰で簡単にあきらめたが(中止後、オンライン開催に移行)、湘南国際には少しばかり逡巡した末に参加することにした。大会2週間前までに2度のワクチン接種と、本番…

「かぼちゃを塩で煮る」

いままで表紙買いはあったが(特に単行本で)、タイトル買いは初めてかもしれない。本のタイトルだって表紙に書かれているのだから、これも表紙買いの一種ととれるか。ふと寄った書店で、予定になかった本を購入してしまうことはそれなりにあることなのだが…

「夜と霧」(新版)

いまさらだが長らく読み継がれてきた本を読んだ。自分の書棚にもずいぶんと長い間埋もれていた。ヴィクトール・E・フランクル「夜と霧」。霜山徳爾さんが訳した旧版もどこかにあったはずだが、目に入った池田香代子さんの訳で読んだ。内容に入る前に新旧版の…

「新聞記者、本屋になる」

毎日新聞の論説委員まで務めていた人が書店を開業していたそうだ。新聞記者はつぶしの効かない職業とは聞くが、海外特派員とか話題の本の著者など多少箔がある人は大学に呼ばれて、その専門分野やジャーナリズム論などを教える立場になることが多い。現役時…

「英語の名句・名言」

英語物が続く。古書店で買ったもう一冊がこの本。正直言うと、思惑は少し外れたのだが、これはこれで面白いと思った。110円のもとは十分にとれたし、本の状態もいい。ピーター・ミルワードさんは2017年に亡くなっている。訳者の別宮貞徳さんはまだ存命の…

「英語で読み解く賢治の世界」

古本屋で本を二冊買った。家から一番近い書店が古書店になってしまってからしばらく経つ。意外と入れ替わりがあって、つい足を止めてしまうことがある。特に新書は数十冊単位で入るようだ。で、買ったのが、ロジャー・パルバース「英語で読み解く賢治の世界…

「英語バカのすすめ」

横山雅彦さんという存在は知らなかった。現在は、関西国際大学の准教授だが、予備校や英会話学校で教えてきた人だ。横山さんがどのように英語と出会い、学んでいったのか。副題に「私はこうして英語を学んだ」とあるが、近年やたらと唱えられている英語4技…

「センス・オブ・ワンダー」

レイチェル・カーソンの遺作「センス・オブ・ワンダー」が文庫になった。以前、単行本を買おうと思っていた時期もあったので迷わず購入した。カーソンと言えば、殺虫剤や農薬に使われたDDTの危険性を訴えた「沈黙の春」が有名。今なら、「環境問題」というワ…

「新版 窓のある書店から」

勝手に柳美里という作家を誤解していたようで、この本を読んで、これまた勝手に見直すことになった。彼女の本は、戯曲「魚の祭」をはじめとして小説も4、5冊は読んでいるはずだが、それでも偏狭な読書体験しかもたない作家だと思い込んでいたのだ。自分の…

「ナショナリズムを陶冶する ドイツから日本への問い」

本来はニュートラルな意味なはずの「ナショナリズム」だが、近年は「偏狭な」などの枕詞を伴ってネガティブな場面で使われることが多くなってきたように思われる。排外的な輩たちの主張が目立ってきたせいでもあるのだろう。そもそもはナチズムの根源のよう…

「2020年6月30日にまたここで会おう」

刺激的なタイトルだが、事情を知らない人には「?」以外何物でもない。実際、自分も「6月30日って何かあった?」と思っていたくらいだ。しかも、この本が出たときにはコロナ禍だったので、「こんな時期に集まったら、密じゃん」と頓珍漢なことも考えてい…

「科学者は戦争で何をしたか」

2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんが81歳で亡くなった。歯に衣着せぬというか、思ったことを率直に口に出す気持ちのいいおじいちゃんという印象を持っていた。戦争はダメとしっかりと主張してくれる戦争体験者が一人、また一人と去っていくの…

「星野道夫 約束の川」

平凡社が出している「STANDARD BOOKS」シリーズが気に入っている。当初は、寺田寅彦や中谷宇吉郎などと理系の名文家をそろえていたが、だんだんとジャンルが広がってきた気がする。いまは第4期で松田道雄さんと星野道夫さん。今後、河合隼雄さんや吉阪隆正…

「大岡信 架橋する詩人」

詩作をするほどではないが、詩をよむのは好きな方だ。谷川俊太郎、田村隆一、茨木のり子、西脇順三郎、鮎川信夫に、最近ハマった草野心平などなど。これらの詩人の名を聞くと、代表作のタイトルや詩の一片くらいは浮かんでくる。ところが、大岡信となると、…

「古くてあたらしい仕事」

続けて「ひとり出版社」がらみの本を読んだ。夏葉社というさわやかな名前の出版社を営んでいる島田潤一郎さんの、立ち上げから10年を書いた本となっている。2019年の初版発行から、自分が手にしているのは7刷。これまで自分のアンテナには引っ掛からなか…

「“ひとり出版社”という働きかた」

小さな出版社の存在が増しているのは、気が付いていた。ミシマ社の本は、よく寄る書店にも結構目立つ位置に置いてある。「え、こんな値段なの」と思うときもあるが、小さな出版社を維持するためと思って財布のひもを緩めることもある。その昔は取次を通さな…

「日本語力と英語力」

日本ほど英語教育で侃々諤々とやっている国はないのではないかと思う。英語に熱心なのは韓国も一緒だが、かの国は英語を学ぶということにあまり異論がない。方法論にはいろんな意見があるかもしれないが、「学ぶべき」「やるなら早期に」ということで一致し…

「ミラクル・クリーク」

米国に住む韓国系作家の本を読むのは、たぶん初めて。韓国系移民を扱った映画「ミナリ」を見たせいなのか、移民の話の部分がややくどく感じたが、小さい時に米国に渡ったアンジー・キムさんにとっても最初の長編作品だし、自身のルーツを交えたパートは織り…

「英文学教授が教えたがる名作の英語」

あまり勉強勉強しているのはかなわないが、これならアリと読んでみた。阿部公彦さんが、6作の古典プラス村上春樹さんの短篇をもとに、作品鑑賞から英文の読解まで楽しませてくれる。いずれも抜粋だが、これ以上あると疲れるのでちょうどいい。「ロビンソン…

「古くて素敵なクラシック・レコードたち」

村上春樹さんの小説には、音楽が登場してくる。ジャズもあればポップスもある。「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」あたりはクラシックも出てくる。小澤征爾さんとの対談もあるし、相当に詳しいのだろう。この本は、村上さんが持っているクラシッ…

「読書は格闘技」

タイトルにつられて読んだ。帯には「必ずしも読書で得た経験が明日からすぐに役立つ必要はないとも私は考えている」とある。読書がいわば「遅効性」であるのは、ガイドブックとかマニュアルなどは別として、認めるほかない。読んで明日からの人生が変わると…

「現実脱出論 増補版」

この著者の存在は知らなかった。実は、ニューヨーク・タイムズで坂口恭平さんの記事を読んで知ったのだった。海外メディアが取り上げるほどの日本人なら、ほぼ知っているはず、とその程度のアンテナを立てているつもりだったが、この人は引っ掛かってなかっ…

「Number(ナンバー)」1029号 猛虎新風伝

欧州サッカーや将棋の特集にも気持ちが揺さぶられるのだが、やはり阪神特集はたまらない。Numberを買うのは将棋特集以来だが、前は書店から巡って振られまくったので、今回はコンビニから攻めた。あまりにあっさり買えて、今時、阪神ファンだなんて野卑な存…

「ユタと不思議な仲間たち」

神奈川近代文学館「三浦哲郎展」を見て、その場で買った本。展示を見なければ読まなかったであろう。近代文学館の友の会に入ったので、展示は無料。名前くらいは知っていたが、これまでは縁のない作家だった。展示で「ユタと不思議な仲間たち」がこの作家の…

「コロナ後の世界を生きる」

昨年の7月に出た「コロナ後の世界を生きる 私たちの提言」を今頃読んだ。識者や外国に定住している作家、学者たちに昨年の5月、6月までの現状を踏まえて今後を見通してもらおうという企画だったようだ。37.5度が4日続いてから保健所に連絡するとか、日本…

「志ん生の食卓」

正直、古今亭志ん生の高座は見たことない。1973年に亡くなっているので、見たとしてもテレビだろう。当時は、落語という芸すら認識していなかったと思う。息子の志ん朝はなんとか生で見ている。江戸を体現した華のある落語家だった。父親の方はもっぱらCDで…

「ルポ川崎」

中1男子生徒殺害、通り魔の児童殺傷事件など、川崎というと物騒なイメージがある。自分が横浜に出てきた頃にも、浪人生が金属バットで両親を殺害する事件があった。公害問題のイメージもある。一方で、人権啓発などで他をリードしている自治体というイメー…

「日本ミステリー小説史 黒岩涙香から松本清張へ」

日本はミステリー大国だそうだ。他に読める言語が英語と韓国語しかないので、よその国の充実度はわからないけど、たぶん間違っていないと思う。ミステリ―は欧米から入ってきたものだが、翻訳や翻案の過程で独自の広がりを見せた。家にいる時間が長くなり、二…