晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「英語教育論争史」

仕事を英語で使う日本人は全体のおよそ1、2パーセントだそうである。ならば、中学・高校で必須科目にしなくてもいいじゃん、将来使う人は限られているのだから。ましてや、わざわざ小学校から学ばなくたって…。 こうした議論は100年以上も前から行われ…

「6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む」

この本の存在を何で知ったのかは忘れてしまったが、タイトルからして読書がらみの小説であることは確かなようだし、200ページ程度の本ならすぐに読めるだろうというのが購入の理由だったと記憶する。著者のジャン=ポール・ディディエローランさんの存在…

「カタルーニャ語 小さな言葉 僕の人生」

カタルーニャ語はおろかスペイン語もできないが、この地域には妙に興味がある。この地域にあるサッカーチーム、バルセロナのファンであるということが大きいが、独立投票が行われたり、フランコ独裁時代ににひどい目にあったりと、いろんな本を読むなかで存…

「覇王の譜」

将棋ファンにはたまらない一冊ではないか。プロ将棋のバックステージツアーに連れて行ってもらったような気分になっている。これまでの将棋小説にもずいぶん楽しませてもらったが、細部の詰め方が違う。これまでも棋士への道の厳しさや局面での心理状態は描…

「増補 本屋になりたい」

書店経営にあこがれながら、「せめてあと20年若ければ、やりたいなあ」という年齢に達してしまった(資金という別問題はあるが)。1年ほど前に毎日新聞社を辞めて書店を開業した元新聞記者の話を読んだが、彼は会社勤めの頃から計画的に準備してきた様子…

「世界を、こんなふうに見てごらん」

日本に動物行動学を紹介した日高敏隆さん。たぶん、この本が最後の著作ではないか。自分史的なエッセイでもあり、自然との付き合い方を示すような内容になっている。集英社文庫の夏のキャンペーンで並んでいるのを見て購入したのだが、夏休みに小学生高学生…

「たしなみについて」

背筋が伸びたご婦人にお説教されたような気持になった。いろいろ言われたが、そんなに気分は悪くない。むしろ気が引き締まった。白洲正子「たしなみについて」を読んでみた。本の半分を占めるのは、タイトルの「たしなみについて」。思いつくままなのか、そ…

「うんち学入門」

食事中だったら、ごめんなさい。タイトル見ただけで、いろいろと思い浮かべてしまった場合も許していただきたい。しかし、この本は排泄物について、そしてその役割について書いてあるまっとうな本なので、自分の体や、食事と排泄の関係に興味のある人にはお…

「ここにないもの 新哲学対話」

せかせかと忙しい日々を過ごしていたのに、急に時間が止まったようになってしまった。コロナウイルスに感染してしまったのである。ルートはわからない。感染対策としてやることはやっていたつもりだけど、どこか詰めが甘かったのかもしれない。幸い、1日ほ…

「カモメの日の読書」

どこで読んだのか忘れてしまったが、フランス在住の俳人が漢詩のエッセイを書いていると知った。なんかミスマッチ感が気になって、近くの書店で探しても見つからない。だいたい小津夜景さんって何者なんだ。気になる度が高かったせいで、ついネットで注文。…

「山の上ホテル物語」

作家が、ホテルに「カンヅメ」(執筆に集中させるために閉じ込めること)にされたなんて文章を読むと、ホテル暮らしができてうらやましいと思ったものだ。実際はそんなのんきなものじゃないだろうけど。文豪がよく利用したことで知られるのが、御茶ノ水にあ…

「工藤直子詩集」

角川春樹事務所から刊行された「にほんの詩集」シリーズ。シンガーソングライターで知られる中島みゆきを加えたのは目新しいが、それは置いといて、日本の著名な詩人12人の詩集を出している。その中で、一度も読んだことがなかったのが、工藤直子さん。童…

トレイルランの大会初参加へ

プロモーションのメールにつられて、突然参加を決めたトレイルの大会。周りでもやっている人もいるし、マラソン大会に比べて参加費も安いしとあまり深く考えずに手続きをしてしまったが、初参加となるといろいろと金銭的な「ハードル」があることがわかって…

朴葵姫 ギターリサイタル(トッパンホール)

久々にギタリスト・朴葵姫(パク・キュヒ)のリサイタルに行ってきた。3月の東京公演がコロナで延期になり、この7月に振り替えになっていた。感染者数は今の方が多いのに、不思議といえば不思議である。この振替公演に気づかず、当日券狙いでトッパンホー…

「壁とともに生きる」

「好きな小説家は?」なんてことを聞かれることがずいぶんとない気がする。少なくとも10年くらい。小説が話題の共通項となっていないことが大きいのだろう。かなり昔だが、入社試験の面接に駆り出されたときは、好きな作家・小説は?なんて聞いた気がする…

「ジェットコースターにもほどがある」

何で、こんな本を買っているのだろう。書棚を整理していて意外な本をみつけると、ふと思ってしまう。宮田珠己「ジェットコースターにもほどがある」。自分はジェットコースターには乗らない。むしろ避けてきたくらいだ。最後に乗ったのは10年ほど前か。乗…

「るきさん」

「読書会という幸福」を読み、高野文子「黄色い本」を買い、その勢いってわけじゃないが、ちくま文庫「るきさん」を読んだ。主人公が「チボー家の人々」を読み進める様子を描いた「黄色い本」はなかなかショッキングというか、漫画でこんな表現の仕方があっ…

「読書会という幸福」

元来、群れるのが嫌いな性格。当然、読書は個人の営み、というのが基本姿勢だが、最近は歳をとって丸くなってきたのか、少し気になるのが読書会だ。複数が同じ作品を読み、多角的に語りあうのも悪くないと思うようになってきた。この先、そんなに長くはない…

映画「リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス」

横浜のミニシアター「ジャック・アンド・ベティ」から招待券をいただいたので(会員なので)、映画を見に行った。写真右の「スージーQ」と「リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス」で迷ったのだが、若い時のお付き合い度が高い後者を選択…

「まど・みちお詩集」

「ぞうさん」や「やぎさん ゆうびん」など童謡で知られる、まど・みちおさん。詩は好きだが、童謡まで手を伸ばす気はなかった。古本屋の棚にあったので、ちょっと読んでみようかなと。いやいや、面白かった。 まど・みちお詩集 (岩波文庫) 岩波書店 Amazon …

「マカロンはマカロン」

近藤史恵「ビストロ・パ・マル」シリーズの第3弾。相変わらず読後感がいい。カウンター7席、テーブル5つという、下町にあるフレンチを提供するビストロのシェフ・三舟忍が、客が持ち込む悩み事を解決するというシリーズだ。「マカロンはマカロン」は、「…

「キャベツ炒めに捧ぐ」

井上荒野さんの「キャベツ炒めに捧ぐ」を読んだ。以前に「ベーコン」という題の小説を読んでいるが、Twitter発信でも食べ物のネタが多く、いわゆるフードポルノの自分にとっては気になる存在である。瀬戸内寂聴さんが亡くなった後は、寂聴さんと父・光晴さん…

「中島みゆき詩集」

角川春樹事務所が「にほんの詩集」というシリーズを刊行している。4月から3人ずつ、12人の詩集を出す予定になっている。4月の3人は、谷川俊太郎、長田弘、中島みゆきという面々。谷川さんと長田さんは、改めて買う事はないかと思い、「中島みゆき詩集…

「1ドルの価値/賢者の贈り物」

久々にO・ヘンリーを読んだ。教科書で「最後の一葉」あたりを読んだ人も多いのではないか。近年では、越前敏弥氏の訳で角川文庫で、その前には新潮文庫でも新訳が出ていたように記憶している。名前の表記は「オー・ヘンリー」もあるが、読んだ光文社古典新訳…

「裏横浜」

タイトルにつられて読んだのは間違いない。著者の八木澤高明さんの作品も読んだことがない(ただし、「黄金町マリア」という本の題は覚えている)。自分が住んでいる地域にも触れているし、新書なら値段もそれほどでもない。という理由で手に取った。「裏」…

「わたしたちの登る丘」

バイデン米大統領の就任式で詠まれたアマンダ・ゴーマンの詩が文庫になった。オリジナルの本を購入を考えていたので、原文と訳詩(鴻巣友季子さんによる)が収録されたのが本になったのは嬉しい。この詩が収録された「文学界」は立ち読みしたのだが、このく…

「世界史への扉」

ロシアのウクライナ侵攻。もしかしたら、また地球儀を買い換えないといけなくなるのかもしれない。望まぬ形の国境線の「変更」もありうる。世界地図って変わるものだって意識し始めたのは、1980年代後半の東欧革命から端を発したドイツ統一からだと記憶…

「夢のなかの夢」

イタリア版「夢十夜」と言ったところか。 アントニオ・タブッキが巨匠たちが見たかもしれない夢を夢想して、20の短篇にした。巨匠たちとは、ラブレー、スティーブンソン、ドビュッシー、フロイトなど。年代別に並んでいて、現代に近づくほど知っている名前…

映画「英雄の証明」

アスガー・ファルハディ監督の「英雄の証明」を見た。昨年、カンヌでグランプリを取った作品だ。ちなみに、カンヌ映画祭での最高賞はパルム・ドールで、2018年の是枝裕和監督作品「万引き家族」がそれにあたる。つまり、このイラン人監督の作品は、カン…

「本と鍵の季節」

直木賞受賞作である「黒牢城」に購入すべきだったかもしれないが、ここは文庫化されている「本と鍵の季節」にした。米澤穂信氏の高校生を主人公にした作品を読んでみたかったというのが第一の理由で、同氏には同じく高校を舞台にした「古典部シリーズ」が角…