晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

また浸かりたい横浜の銭湯④

 複数の友人から好意的な噂を聞いて、一度行きたいと思っていた亀遊館。家からはやや距離がある金沢八景が最寄り駅。その昔、鎌倉へのトレイルの帰りに寄ってみたが、営業日だったはずなのに休館日だった(臨時休業)。昨年、「ランナー禁止令」が発令されて、ランナー姿では行けないなとあきらめた時期もあった。荒天時にトレイルに臨んだランナーたちが玄関や脱衣所などを相当に汚してしまったらしい。その後、1カ月くらいで、常識的なランナーを対象に「解除」された。また、ランナーズステーションとしても使えるようになっている。

亀遊館の入り口。夜はライトアップが結構きれい

 営業日は、水、木、土、日(店主の体調不良が理由)。建物は、比較的新しく清潔感のある浴場。サウナは100度を超える高温で、自分が入った時は「サザンday」でサウナ室内でサザンオールスターズがずっとかかっていた。アロマも導入。攻めている。

 ランナー禁止令を出したのはたぶん店主さんなのだが、X(前ツイッター)の文面から察するところ気の短い人。しかし一方で、客の要望には積極的に応えていこうという心意気が見えるのだ。禁止令も、客の苦情への速いレスポンスだったと記憶する。建物としては、サウナ室と水風呂の距離がややあったりとか、外気浴のためには浴場から脱衣場を通らないといけなかったりと、やや無理のある造りという気がする。想像だが、外気浴スペースは時代の要請に合わせて新設したのではないか。創意工夫でカバーして、銭湯を続けていこうとの意気込みを感じる。

 銭湯一般に感じることは、ここまで二極化しているビジネスはないのではないかということ。家風呂の普及により銭湯の需要が減ったのはご存じの通りだが、建物は古くなり後継者はいないなどの理由で完全に守りに入っている「維持型」(自分の代で閉店すると決めている人たちも含む)と、積極的に休憩所や飲食施設を作ったりサウナブームに乗って、サウナ室や外気浴・内気浴の設備を取り入れていく「攻撃型」。二極化しているのに、同じ浴場組合に属していれば統一料金(神奈川は2月1日から大人530円)だ。ラーメンで言えば、素ラーメンとトッピングたっぷりのラーメンが同じ値段でそれぞれ出されているという感覚だろうか。空いている銭湯は、スローに過ごせるという長所もあるのだが、それは客がいないのが前提という矛盾しているところもある。たまに小さい銭湯に行きたくなるのは、ふいにもりそばや茶漬けを食べたくなる心情にやや近い気がしている。

 亀遊館は「攻撃型」だろう。やや広いフロントを利用したグッズ販売(通販もOK)も展開。昨年の秋ごろに浸からせてもらったのだが(サウナを含む)、フロントにいた女性も非常に気持ちの良い対応だった。購入したステッカーのデザインもお気に入りである。

 ランナー禁止令に話を戻すと、実は怒りを買ったランナーの一人になる可能性があったのだ。発令当日の午前中にトレイル大会があり、大会主催者は、最寄りの銭湯の一つとして亀遊館を紹介していた。その大会は、自分のトレイルデビューになるはずだったのだが、荒天にびびって(逆にトレイルランナーは燃えるかも)、参加を見送ったのだった。禁止令をツイッターで見たときは、自分も怒られているような気持ちになってしまった。

 今度はもっと時間を取って、ゆっくりさせてもらいます。