晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

巣鴨湯

 週に一、二度は銭湯に行く。家の風呂では味わえないような開放感といつまでも適温で保たれている湯が魅力なのだが、減少していく銭湯を応援したいと気持ちもどこかにある。巣鴨で酒席があり、時間的な余裕があったので、飲む前にひとっ風呂と、タオルもなしに巣鴨湯に寄ってみた。

 感想から書くと、非常に満足した。満足と言うよりも驚かされたと表現した方がいいかもしれない。こんなに攻めている銭湯があったなんて。スーパー銭湯ほどの広さはないが、限られたスペースに「欲しいもの」が詰め込まれている。ビジネスとしてどれだけうまくいっているかわからない。しかし、「応援したい」なんて気持ちはおこがましいのでは、とさえ思ってしまうほど賑わっていた。いままでの銭湯では見たことがないほどに。

入湯前に入り口で写真を撮る女性。こんなシーンは初めて見た

 別にどこでも良かったのだ。巣鴨周辺にはいい湯がありそうだったので、会場に近いところと酒席に向かう電車内で検索して見つけた。「巣鴨湯」が会場の徒歩圏内にあることがわかったので、そちらに向かった。備忘録として銭湯の正面写真を撮ることを常としているが、若い女性が自分と同じようなことをやっている。続いて女性二人組も自分の前に湯に入るではないか。見たところ20代。いまや吉野家に女性客がいるのは珍しくもないが、数十年前にはどこか店内で浮いているように見えたものだ。それが、自然な形で女性一人に続き、女性二人組も銭湯に入っていった。こと銭湯に関してはこんなシーンはみたことがない。横浜ではいつも高齢者か、サウナブームに乗った若い男性衆である。

 現金がある人は券売機、キャッシュレス対応はフロントでしてくれる。フロントには学生とおぼしき男女二人。まるでコンビニの会計のようだ。自分が持っている銭湯の光景と結びつかない。Suicaで入湯料520円と貸しタオル代50円を合わせた額を払う。クレジットカードまで使えるではないか。見れば、タオル、Tシャツ、サウナハットにステッカーなどとグッズ類も充実している。ガマンガマン。ここはカネを使わずに踏ん張ろう。

 脱衣所のロッカーは100円を入れて締めて、また開ける時に返金される方式。個人的に小銭が必要なので嫌なのだがこのくらいは許す。両替を求める客が多いのだろう。フロントさんも気軽に応じてくれる。サウナは2時間まで。料金はプラス500円くらいか。それほどゆっくりするつもりはないのでサウナは止めにしたが、結構混んでいる。入場制限をする時もあるという。

 湯船は何種類かあるが、それぞれ小さくまとまっている。脚を伸ばせば2、3人、抱えるような形で5、6人程度入れるくらいのコンパクトなもの。すべて軟水だという。男湯には外気浴スペースがある。サウナは104度だそうだが、こだわりの温度設定なのだろうか。水風呂の他に30度程度のぬるい湯もある。見た感じでは、水風呂よりもそちらに浸かっている人が多かった。

 女湯側と接する向きのシャワーには、高級感のあるシャワーヘッドが装着されていて、初めてこんなシャワーを使わせてもらった。銭湯で1割引で販売しているとポスターがあった。ボディーシャンプー、シャンプー、トリートメントも無料で設置されている。

 驚いたことの一つは、浴場部分の床の一部分に畳らしきものが敷かれていたこと。いや、ぬれているけどやっぱり畳だよな。いわゆる琉球畳か。フローリングっぽいけど、すべらなくて足にしっくりくる。客の年齢層も非常に若く、若い人たちがサウナと外気浴スペースを行ったり来たりしていた。

 湯船を一通り体験して、上がった後にはボディードライヤー。珍しがって、ついつい初体験させてもらったが、さほど使用している人がいないところを見ると、そんなに新しいものではないのかもしれない。

 こまめに店員さんが脱衣所や浴場に入って、いすを並べたり、床を拭いたりしていた。店員さんも学生さんか。いずれにせよ、きびきびしているし、見ていて気持ちがいい。メンタル的には、酒を飲む前にすっかり満足した状態で会場に向かった。おそるべし、巣鴨湯。