2024-01-01から1年間の記事一覧
ノーベル賞授賞式でのハン・ガン(韓江)さんの授賞スピーチを備忘録代わりに訳してみた。東京新聞や他に公開しているスピーチはどうやら英語から訳したように感じる(間違ってないけど)。こちらは原文の韓国語から。ご関心のある方、上手じゃないけど、そ…
古本屋で見かけて購入した。著者は朝日新聞の論説委員(ウィキ情報)だった中条一雄さん。先日亡くなった賀川浩さん(サンケイスポーツ)、牛木素吉郎さん(読売新聞)とともにサッカー記者の草分けとされる人物だ。余談だが、この3人、いずれも90代まで生…
2週間前になるが、大倉山の「太平館」の湯に浸かり、現在横浜市内にあるすべての銭湯に入ったことになった。征服感のようなものは多少あるのだが、市内の銭湯制覇を思い立ってからも10くらいの銭湯が店を閉じている。レースで言えば、ゴールが勝手に近く…
困った本だ。このような本を買うと、受験生を抱えて逼迫している財政事情でもつい本を買わされてしまうのだ。当たり前と言えば当たり前かもしれないが、作家の米澤穂信さんはよく本を読んでいる。非常に勉強になる。 「米澤屋書店」。直木賞作家で、個人的に…
出身地の福島県浪江町は太平洋から内陸に向かって結構奥行きがある。面積は割と広い町だと思う。常磐線の駅の界隈で、役場や郵便局、スーパーなどが集まった、田舎なりに中心地に住んでいた自分は海にはよく行ったが、山の方には足が向かなかった。山歩きや…
ムーミン。特別好きってわけじゃないんだけど、子供の頃、なぜかチャンネルを合わせていることが多かった。「ねえ、ムーミン、こっち向いて」の歌詞で始まるアニメのことだ。若い人はわからないかもしれないが、キャラクターとしては知っていると思う。 動画…
会社の帰りに書店に寄って、谷川俊太郎「ベージュ」を購入。120ページ程度の消費税込みで500円を少し超えるような薄い本。先日亡くなったのでもっとボリュームのある本を読みたかったが、出版サイドだって予想していたことではないはず。「ベージュ」…
新川和江さん。今年8月に亡くなった。有名な詩人だけど読む機会がなかったから、遅まきながら一度読んでみようとハルキ文庫で購入。享年95歳。先日他界した谷川俊太郎さんが92歳。2人とも長生きだなあ。 それはさておき、子どもや少年少女向けの詩集を…
谷川俊太郎さんが亡くなった。13日だそうだから、このブログに「二十億光年の孤独」をアップしたときには他界していたことになる。朝日新聞の連載も続いているし、「詩人なんて呼ばれて」を読んでいると谷川さんの声が聞こえているようで、サイトでニュー…
谷川俊太郎さんが語り手となっている「詩人なんてよばれて」(聞き手・尾崎真理子)を読んでいたら、デビュー作を急に読みたくなって、急いで購入した。「二十億光年の孤独」は以前読んだことがあったが、どこかで手放していた。しかし、ガブリエル・ガルシ…
早川書房の kindle 本が安くなっていたので、少し気が大きくなって数冊購入した。古い本ほど値段も安いようで、考えてみればアガサ・クリスティーを読んだことがなかったので、1冊読んでみることにした。映画化されているものはそれとなく筋がわかっている…
川端美季「風呂と愛国」の続き。近年はそうでもなくなったかもしれないが、毎日のように風呂に入るといわれる日本人。シャワー派も多いはずだが、サウナブームが再燃するなど、どこか入浴と縁が強いような気がしている。銭湯に行くと、いまだにみっちりと自…
吉田篤弘「月とコーヒー」を読んだ。「つむじ風食堂の夜」か「それからはスープのことばかり考えて暮らした」を読んで以来だろうか。妻・吉田浩美さんとのクラフト・エヴィング商會としての仕事は、銀座のタウン誌「銀座百点」の表紙でお見受けするが、吉田…
銭湯の湯船が恋しくなった時にこの本に出会った。銭湯好きとしてこのタイトルを避けて通るわけにいかないので、若干躊躇しながらも購入した(懐具合が寂しいのだ)。副題は「『清潔な国民』はいかに生まれたか」。このブログは千字前後を目安としているが、…
川上弘美さんの句集が文庫化された。この「機嫌のいい犬」が第Ⅰ句集で、第2句集「王将の前で待ってて」が12月に刊行されるので、シリーズものの映画の最新作がでる際に過去作品がテレビで放映させるのと似たようなものか。「王将の前」って、やはり「餃子…
絵本ではなくビジュアル本と言うべきか。英国のDK社が出した本を読んだ。ルイーズ・グッディング「みんなちがって、それでいい! 脳のはたらきとニューロダイバーシティ」だ。タイトルの「脳」だけが漢字で、他はひらがなとカタカナだけなので、それとなく対…
斎藤真理子「隣の国の人々と出会う」を読みおえてから、次にこの創元社「あいだで考える」シリーズを読むなら、奈倉有里さんがいいなと思っていた。シリーズとしてはこちらの刊行が先だ。Kindleだと安く購入できる期間だったので、思わずポチッと押して、「…
神奈川近代文学館が開館40周年を迎え、作家の荻野アンナさんが館長になった。地元在住で見かけることがあるせいか、どこか身近な存在で、気さくな人とのイメージを持っている。ダジャレはオヤジ顔負けなくらいに連発するが、そのようなキャラとして受け入…
金子光晴と聞いて、浮かんでくる言葉の一つに「反骨」がある。あとは「反戦」に「旅」や「流浪」あたりだろうか。金子さんのこれまで出してきた本のタイトルに引っ張られている部分もある。文庫本で金子光晴作品のほとんどに接してきたが、この家族3人の詩…
知らない場所に行くときは近くに銭湯があるかどうかを調べるようになった。友人に誘われたのは日暮里の店。「銭湯」「(東京都)台東区」で検索すると、どうやら店に近いのは、鶯谷にある「ひだまりの泉 萩の湯」だ。約束時間の1時間半前を目安に動き、ひと…
神奈川近代文学館で開催された「安部公房展 21世紀文学の基軸」にいってきた。話題になっているノーベル文学賞受賞に沿った話をすれば、安部公房さんも「ノーベル文学賞候補」だったことが10年ほど前の読売新聞の取材で判明している。 展示とは話が離れ…
ハン・ガンさんがノーベル文学賞に輝いた。ボブ・ディランはともかくとして、英語圏の作家は読んでいたり名前くらい知っていたりすることもあったが、非英語圏であらかじめ読んでいたのはたぶん大江健三郎さん以来かもしれない。オクタビオ・パスさんあたり…
評判がいいのは知っていたが、想像以上に面白かった。スポーツというジャンルを超えてノンフィクションとしての出来がいい。「大宅壮一ノンフィクション賞」「本田靖春ノンフィクション賞」「新潮ドキュメント賞」を受賞。素材が元中日監督の落合博満とくれ…
続けて、山本文緒さんの本。先に読んだ「無人島のふたり」の巻末に山本さんの著作リストや年譜が載っていたのだが、2003年に3月に「精神科にはじめてひと月入院する」との記述があり、2006年6月に「河口湖のテニスコートでうつが治った感覚を得る…
2021年に58歳で亡くなった山本文緒さんの遺作と言うべきか。この年の4月に突然膵臓がんを宣告され、余命は約4カ月と言い渡された。作家は死の一週間までの日記を書き残した。副題は「120日以上生きなくちゃ日記」。 昨年「恋愛中毒」を読んだら、…
そもそも自信はそんなになかったが、自分で思ってたほど英語ができないのは先のTOEICで思い知った。多少癖があるとはいえ、一応は世間の指標となっている試験である。気を取り直して、勉強勉強。という事で、手に取ったわけじゃないのだが、勉強法としては参…
書店で海外文庫の棚を見ていたら、表紙がこちらを向いている本があった。T・S・アーサーなる作家は知らないが、タイトルに「酒場での十夜」とある。どうしても酒関連の本には手が動いてしまい読んでみたら、19世紀に刊行された作品とのことだ。酒によっ…
レースや練習の話はできるのだが、乳酸とかタンパク質、筋肉の部位あたりに話が及ぶと口数が減ってしまう。要は体の仕組みや栄養の影響とかがしっかりわかっていない部分が多いのだ。この本はランニングに特化した本ではないけれど、トレーニングやリカバリ…
書店は間違いなく減っている。例えば、わが町。最寄り駅の商店街には新刊書店2軒と古本屋が1軒あったが、たぶん30年以上前に新刊書店が1軒になり、15年くらい前にまた1軒減り、今は古本屋が一軒のみとなった。とはいえ、独立系と呼ぶべきか、個性的…
3回目にしてタイトルに偽りありとなってしまった。今回紹介する坂は緩やかで、まったく「立ちはだかっていない」のだ。坂の上り口から左側に、現存する日本国内のインターナショナルスクールとしては一番古いサンモール・インターナショナル・スクールが見…