晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

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「まど・みちお詩集」

「ぞうさん」や「やぎさん ゆうびん」など童謡で知られる、まど・みちおさん。詩は好きだが、童謡まで手を伸ばす気はなかった。古本屋の棚にあったので、ちょっと読んでみようかなと。いやいや、面白かった。 まど・みちお詩集 (岩波文庫) 岩波書店 Amazon …

「マカロンはマカロン」

近藤史恵「ビストロ・パ・マル」シリーズの第3弾。相変わらず読後感がいい。カウンター7席、テーブル5つという、下町にあるフレンチを提供するビストロのシェフ・三舟忍が、客が持ち込む悩み事を解決するというシリーズだ。「マカロンはマカロン」は、「…

「キャベツ炒めに捧ぐ」

井上荒野さんの「キャベツ炒めに捧ぐ」を読んだ。以前に「ベーコン」という題の小説を読んでいるが、Twitter発信でも食べ物のネタが多く、いわゆるフードポルノの自分にとっては気になる存在である。瀬戸内寂聴さんが亡くなった後は、寂聴さんと父・光晴さん…

「中島みゆき詩集」

角川春樹事務所が「にほんの詩集」というシリーズを刊行している。4月から3人ずつ、12人の詩集を出す予定になっている。4月の3人は、谷川俊太郎、長田弘、中島みゆきという面々。谷川さんと長田さんは、改めて買う事はないかと思い、「中島みゆき詩集…

「1ドルの価値/賢者の贈り物」

久々にO・ヘンリーを読んだ。教科書で「最後の一葉」あたりを読んだ人も多いのではないか。近年では、越前敏弥氏の訳で角川文庫で、その前には新潮文庫でも新訳が出ていたように記憶している。名前の表記は「オー・ヘンリー」もあるが、読んだ光文社古典新訳…

「裏横浜」

タイトルにつられて読んだのは間違いない。著者の八木澤高明さんの作品も読んだことがない(ただし、「黄金町マリア」という本の題は覚えている)。自分が住んでいる地域にも触れているし、新書なら値段もそれほどでもない。という理由で手に取った。「裏」…

「わたしたちの登る丘」

バイデン米大統領の就任式で詠まれたアマンダ・ゴーマンの詩が文庫になった。オリジナルの本を購入を考えていたので、原文と訳詩(鴻巣友季子さんによる)が収録されたのが本になったのは嬉しい。この詩が収録された「文学界」は立ち読みしたのだが、このく…

「世界史への扉」

ロシアのウクライナ侵攻。もしかしたら、また地球儀を買い換えないといけなくなるのかもしれない。望まぬ形の国境線の「変更」もありうる。世界地図って変わるものだって意識し始めたのは、1980年代後半の東欧革命から端を発したドイツ統一からだと記憶…

「夢のなかの夢」

イタリア版「夢十夜」と言ったところか。 アントニオ・タブッキが巨匠たちが見たかもしれない夢を夢想して、20の短篇にした。巨匠たちとは、ラブレー、スティーブンソン、ドビュッシー、フロイトなど。年代別に並んでいて、現代に近づくほど知っている名前…

「本と鍵の季節」

直木賞受賞作である「黒牢城」に購入すべきだったかもしれないが、ここは文庫化されている「本と鍵の季節」にした。米澤穂信氏の高校生を主人公にした作品を読んでみたかったというのが第一の理由で、同氏には同じく高校を舞台にした「古典部シリーズ」が角…

「BORN TO RUN」

いまさらながら読んでみた。クリストファー・マクドゥーガル「BORN TO RUN」。スプリングスティーンの歌もいいが、この本もいい。ランナーにとっては興味深い話題が続く。長距離走に強いとされるタラウマラ族。勝手にアフリカあたりの民族(しかもケニア近く…

「卒業式まで死にません」

精神科医・松本俊彦「誰がために医師はいる」で知った本。ブログの紹介では書ききれなかったが、著者は、覚せい剤依存症が「快楽」を求めているのに対して、向精神薬などへの依存症患者は「苦痛の緩和」を求めていると書く。快楽に飽きることはあっても、苦…

「国家と音楽家」

戦争など国家同士の対立や革命が起こると、ふだんは政治と無関係と思われているスポーツ選手や音楽家までが「態度」の表明を迫られることがある(表明しないこともある種の「態度」であることも含め)。今なら、ロシアやウクライナがそうであろう。プーチン…

「英文法を哲学する」

何やら難しそうだが、佐藤良明さんの本なので読んでみた。佐藤さんと言えば、その昔に東大教養学部の英語テキストの開発に尽力した人。その「The Universe of English」は東大とは全く縁のない自分も購入した。そして、音楽ファンにとっては、ボブ・ディラン…

「丹沢夜話」

御殿場線の山北駅から大野山を登る約15キロのトレーニングコースがある。箱根駅伝に出るようなチームがよく練習しているとのこと。フルマラソン並み(以上?)の達成感があるという。いつかは体験してみようと思っていたところに、古書店で「丹沢夜話」と…

「灯をともす言葉」

雑誌「暮しの手帖」は割と長い間購読している。外見と不釣り合いらしく、携えて歩いているのを見た同僚に「意外」と口にされたこともあった。料理も裁縫もしないが、読み物も面白いし、料理の写真にほっこりさせられることもある。生活情報が満載で実に楽し…

「喫茶店で松本隆さんから聞いたこと」

書店主(雑貨も売っているようだが)の山下賢二さんが、京都の喫茶店で作詞家の松本隆さんから聞いた話をまとめた本。出版社は夏葉社。章立てが喫茶店別になっている。松本隆さんは説明不要なはず。東京生まれ(港区)だが、数年前に関西に移住しているとの…

「砂糖の世界史」

砂糖と牛乳をかけたイチゴにありつけると、なんかゴージャスな気持ちになったものだ。いまや砂糖は高カロリーで何かと目の敵にされて代替品の甘味料がCMで放映されているが、子どもの時はなんかリッチな気持ちにさせてくれる存在だった。半世紀くらい前の話…

「誰がために医師はいる」

現時点で今年一番衝撃を受けた本である。「月刊みすず」の読書アンケートでこの本を昨年読んだ5冊の中の一つにあげる人が多かったのだが、納得してしまった。副題は「クスリとヒトの現代論」。嗜癖障害に苦しむ患者(依存症患者)と向かい合う精神科医の苦…

「変身」

カフカ「変身」を読んだ。「変身」は新訳が出るたびに読んでいる。と、断言してしまったが、ウィキペディアを見るといくつか読んでいないのがあった。最初に出会ったのは高橋義孝訳。それから、中井正文訳、池内紀訳、山下肇訳、丘沢静也訳を読んでいる。短…

「一本の茎の上に」

あまりテレビを見ないのでわからないが、たぶんNHKあたりで取り上げられたのだろう。茨木のり子さんの本が近くの書店に平積みになっていた。彼女の本は、ほぼ読んでいると思っていたが、見慣れない表紙があったので買ってみた。エッセイ集の「一本の茎の上に…

「サッカー店長の戦術入門」

こんな人がいるんだと思った。著者の龍岡歩さんのことである。サッカーのプレー経験はないのに、1993年に幕を開けたJリーグにハマって、テレビ観戦はもちろん、海外の試合まで見に行って、今やJFLを目指すチームの「戦術分析官」。そのチームのおこしや…

「適切な世界の適切ならざる私」

なんとなく手に取ってしまった。たまには若い人の詩を読んでみようかと。文月悠光さん。「ふづき・ゆみ」と読むらしい。16歳で現代詩手帖賞受賞、高校3年時に出した詩集(本作)が中原中也賞を最年少18歳で受賞している。「教室」「靴の中の画鋲」「新…

「みすず 読書アンケート特集」2022年1・2月合併号

年の初めの「月刊みすず」は恒例の「読書アンケート」。1・2月合併号として、2月上旬くらいに、いわゆる有識者たちが2021年に読んで印象に残った5冊(以内)が載ったのが発売される。2021年に「刊行された」本ではなく、「読んだ」本なので、古い本…

「感じるオープンダイアローグ」

精神的に困難を抱えている人を回復させる方法として、「オープンダイアローグ」という方式があるという。「その人のいないところで、その人の話をしない」「1対1ではなく、3人以上で輪になって話す」というのが基本形だそうだ。思わず「基本ルール」なん…

「アメリカの原点、ボストンをゆく」

随分と古い本を取り寄せて購入。本の値段よりも送料が高くついた(それでも安い)。あまり米国には興味がないのだが、なんかボストンという都市は好きになれそうな気がして読んでみた。刊行されたのが2007年11月となっている。著者の井上篤夫さんは作…

「サハラ砂漠の王子さま」「モロッコで断食(ラマダーン)」

アマゾンのキンドル本のタイムセールで思わず買った本。しかし、こちらのキンドルが旧型のせいで、写真の表示に随分と時間がかかってイライラした読書となってしまった。純正カバーや充電用コンセントのコードも劣化した状態。そろそろ買い換えないと。その…

「The Little Book of Running」

久々に洋書。といっても、トリビアとか名言とかを集めた本ですぐに読める。どこかで聞いたことがあるような話題が多かった。医学用語は難しく感じるが、それは辞書をひけばいい。手元の辞書(ジーニアス英和)に出てこない単語が一つあったと記憶しているが…

「ことばの果実」

長田弘さんがマイブーム(死語?)である。読書や言葉に関する詩やエッセイが多い人だが、語りかけてくるのような平易な言葉の積み重ねて、心の隙間を埋めてくれる。大きな心の穴というよりは、日々の生活で生じたちょっとした隙間に入り込んでくるのだ。「…

「旧約聖書を知っていますか」

今となっては「食わず嫌い」だったとも言えるのだが、阿刀田高という作家があまり好きじゃなかった。ショートショートなら星新一さんを読めばいいし、時折、雑誌などでお目にかかる阿刀田さんの文章はどこか冗長で、なんかイライラさせられた記憶があったか…