2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧
好きな詩人と言われて、頭に浮かぶのは田村隆一さんである。鎌倉には1970年から1998年に亡くなるまで住んでいた。自分が日雇いのバイトで得た金を握りしめて、鎌倉に行き始めたのは1980年代の半ば。残念ながら本人に会ったことはないが、気張る…
「dancyu」に掲載された、角田光代さんと堀江敏幸さんが、「食」にちなんだ小説やエッセイ(漫画もあった)を紹介する連載が一つの本となり、その後、文庫化された。二人が交互に担当。100冊分(100食分?)が収録されている。近年、あまり「dancyu」…
長い間の積読だったが、マラドーナが亡くなったの機に読んでみた。心臓疾患などがあるので長生きはしないと思っていたが、こんなに早く亡くなるとは。サッカー少年だった一人として冥福を祈りたい。コロナウイルスが理由ではないと聞いているが、医療体制な…
講談社文芸文庫が2000年ころに出した、短篇集のアンソロジー。「表現の冒険」は一風変わった小説で編まれている。この10番目の本で完結だったはずだが、好評だったせいか、その後も続いた。中古本を売る時に見つけて、面白そうだから読んでみた。 度合…
石橋毅史さんという人は出版ジャーナリストで、書店に関する本を数冊出しているらしい。著書は、韓国や台湾でも翻訳されている様子。ちなみに、石橋さんは「書店」と「本屋」を区別しているらしく、前者は書籍・雑誌の小売店、後者は書籍・雑誌を売ることを…
全米図書賞というものがこれほど影響力があるとは思わなかった。翻訳部門で受賞した、柳美里「JR上野駅公園口」(英訳:モーガン・ジャイルズ)が一時的に入手困難になり、購入までに時間がかかった。こんなに注目されるようになったのは、多和田葉子「献灯…
12月10日は湘南国際マラソンの開催の可否が決定する日だった。コロナ禍の感染者や医療体制などを考えると中止はしょうがないかなと思っていたが、やはり中止だった。開催しても25キロというのは前もって知らされていたが、やはり走る機会を奪われるのはき…
今村夏子「あひる」を読んだ。彼女の場合、話の筋の書いたって作品の紹介にはならない気がしている。どうしたものか。なんか「ズレ」があるようなのだが、それをうまく伝えることができない。「ズレ」という言葉が正しいかどうかもわからない。「ツボの違い…
映画「滑走路」の予告編を見て、読んでみようかと思った。 朝日新聞の読者だし、短歌は詠まないものの「朝日歌壇」はよく目を通しているはずだ。しかし彼の存在には気づかなかった。萩原慎一郎さんの初めて歌集で、かつ遺作となった「歌集 滑走路」。一読し…
「自粛警察」「正義中毒」やら新型コロナウイルスの影響で生まれてきたり、よく耳にするようになったりする言葉が増えた。でも周りになんか監視されているような風潮は、いまに始まったわけじゃない。程度の違いはあれ、戦時もそうだったろうし、東日本大震…