晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

たべる

横浜4大立ち食いそば 相州そば関内本店

横浜4大立ち食いそば。桜木町駅南口改札脇にある「川村屋」、JR東神奈川駅のホームにある「日栄軒」、横浜駅西口にある「鈴一」、関内駅から5分ほど歩いた場所にある「相州そば」を指す。個人的に一番世話になっているのが「川村屋」、次が「相州そば」で…

「古本食堂」

食べもの系に弱い自分にとって、原田ひ香さんは気になる存在だった。とはいえ、著書が多くどこから手をつけて良いか分からない。古本と抱き合わせなら面白いに違いないと、本書を手に取った。タイトルから、食堂併設の古本屋の話だと思ったのだが……。 古本食…

「カレーライスと餃子ライス」

タイトルにつられた。「カレーライスと餃子ライス」の題が、平野甲賀さんの書体で書かれている。「日本語の外へ」もそうだったが、いかにも晶文社の本って姿である。日本のカレーは、縦横無尽というか変幻自在というか、いろんな形がある。具によっていろい…

「将棋指しの腹のうち」

先崎学九段。文筆業でも活躍している将棋棋士である。プロ棋士のエピソードや人柄などは彼の筆を通して知ることが多い。将棋界とファンの橋渡し役とも言える。先日の王将戦で藤井聡太王将に挑んで敗れた羽生善治九段について朝日新聞(読んだのはデジタル版…

「ライオンのおやつ」

小川糸さんが書く本には、愚かな人や弱い人は出てくるが悪い人は出てこない(態度の悪い人は出てくる)。これまでもそう思っていたが、「ライオンのおやつ」を読んでその思いを強くした。30代ながら余命宣告を受けた海野雫が「終のすみか」と決めたのは瀬…

「マカロンはマカロン」

近藤史恵「ビストロ・パ・マル」シリーズの第3弾。相変わらず読後感がいい。カウンター7席、テーブル5つという、下町にあるフレンチを提供するビストロのシェフ・三舟忍が、客が持ち込む悩み事を解決するというシリーズだ。「マカロンはマカロン」は、「…

「キャベツ炒めに捧ぐ」

井上荒野さんの「キャベツ炒めに捧ぐ」を読んだ。以前に「ベーコン」という題の小説を読んでいるが、Twitter発信でも食べ物のネタが多く、いわゆるフードポルノの自分にとっては気になる存在である。瀬戸内寂聴さんが亡くなった後は、寂聴さんと父・光晴さん…

「かぼちゃを塩で煮る」

いままで表紙買いはあったが(特に単行本で)、タイトル買いは初めてかもしれない。本のタイトルだって表紙に書かれているのだから、これも表紙買いの一種ととれるか。ふと寄った書店で、予定になかった本を購入してしまうことはそれなりにあることなのだが…

「志ん生の食卓」

正直、古今亭志ん生の高座は見たことない。1973年に亡くなっているので、見たとしてもテレビだろう。当時は、落語という芸すら認識していなかったと思う。息子の志ん朝はなんとか生で見ている。江戸を体現した華のある落語家だった。父親の方はもっぱらCDで…

「酒味酒菜」

東日本大震災から10年。被災者を家族に持つ者としては、相当の本を扱うべきだとも思ったが、講談社刊「福島第一原発の真実」は大著で読み終えるどころか、まだ手をつけていない。片山夏子「ふくしま原発作業員日誌」は読んでいる最中。で、郷土の詩人の本…

「豆腐屋の四季」

年末に読んだ、角田光代さんと堀江敏幸さんの対談集「私的読食録」でこの本の存在を知った。読み始めは想像以上に気が滅入る話だったが、読み進めているうちにハマってしまった。昭和という時代が少し前のように感じられた。まるで違う人生だが、自分と重ね…

「私的読食録」

「dancyu」に掲載された、角田光代さんと堀江敏幸さんが、「食」にちなんだ小説やエッセイ(漫画もあった)を紹介する連載が一つの本となり、その後、文庫化された。二人が交互に担当。100冊分(100食分?)が収録されている。近年、あまり「dancyu」…

「辺境メシ」

好きな作家の高野秀行さんの本がまた文庫になった。いろんな「秘境」を旅してきた高野さんが、食をテーマにこれまで食べてきた「珍食」「奇食」を集めた本。副題の「ヤバそうだから食べてみた」の通り、なかなか強烈なものがある。本人の旅だけではなく、妻…

「人生最後のご馳走」

ホスピスとは終末期のケアを行うところ。ここにお世話になるレベルだと、症状によっては食べられるものが限られてくるし、それこそ体が食事を受け付けないことだってあろうかと思う。大阪の淀川キリスト教病院の緩和治療内科・ホスピスでは、毎週土曜は患者…

「ベーコン」

井上荒野(あれの)さん。読んでもいないのに、避けていた作家である。たぶん井上光晴さんの娘さんだというのが理由だと思う。といいつつ、光晴作品だってきちんと読んでいるわけではない。原一男監督「全身小説家」の衝撃(もはや内容は忘却の彼方だが、揺…