晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

2022-01-01から1年間の記事一覧

「T JIRO s」「Tの讃歌」

久しぶりにCDを買った。しかも2枚も。 テレビ番組で彼らを見たのがきっかけだ。T字路sという男女のグループ。二人なのでデュオというべきか。ボーカル兼ギターの女性(伊東妙子さんだそうだ)の歌声が刺さった。水道の蛇口を開ききったような歌声。小細…

映画「誰かの花」

日頃お世話になっているシネマ・ジャック&ベティ30周年企画映画「誰かの花」を見た。30周年は去年だったはずだが、この映画館の前身の名画座が70年前の12月25日にオープンしたそうである。で、またこの映画を上映することになったとのこと。見逃…

「韓国文学の中心にあるもの」

斎藤真理子「韓国文学の中心にあるもの」を読んで、戦争の「副作用」というものを強く意識させられた。1950年に勃発した朝鮮戦争は53年以降は休戦状態のままで戦争は終わっていない。BTSの徴兵問題だって、北朝鮮がやたらとミサイル実験をするのだ…

「モトムラタツヒコの読書の絵日記」

申し訳ないが、モトムラタツヒコさんというイラストレーターは知らなかった。福岡在住の方らしい。と書いているところで、NHKの朝の番組でこの本が紹介されていた。こんな偶然ってある(一人で喜んでいる)? オープンしたての書店に行ったら(この書店に…

「歴史とは靴である」

先に、題が意味するところから。本書は、歴史家・磯田道史さんが鎌倉女学院の高校生を相手に行った講義が元になっている。そこで、磯田さんが「歴史はむしろ実用品であって、靴に近い」と話したところからこのタイトルになっている。 歴史とは靴である (講談…

「もう終わりにしよう。」

ほぼ一気に読まされたところだ。この「もう終わりにしよう。」は刊行のタイミングで購入しているのだが、2年ほど積読してしまった。本棚の整理をしているときに見つけて、出だしをパラパラ読んでたら、手から離れなくなった。 イアン・リードというカナダ人…

「ルポ 誰が国語力を殺すのか」

気になっていた本だ。自分と自分の子どもを見ても、あきらかに文章の読解力や感じる力が差があると感じることが何回かあった。時代という側面もあるし、そもそも読書量が違うというあるだろう。今の子どもは本以外に目にするものや時間をとられるものが多す…

第17回湘南国際マラソン マイボトル・マイカップ

3年ぶりに開催された、湘南国際マラソンを走った。結果は散々だったが、むしろレースに参加できた喜びの方が大きい。ごみと二酸化炭素削減の為に世界初のマイボトル・マイカップ持参の参加の大会を謳った大会でもある。給水時間をロスと取り、出場を見合わ…

「レット・イット・ビー」

古書店で見つけてさっそく読んだ。タイトルからビートルズ関連と思いきや、著者は若桑みどりさん。「クワトロ・ラガッツィ」は積読のままだったなあ、と思いつつ、いずれは「マニエリズム芸術論」あたりにも手を出しておきたいので、エッセイで人となりを知…

「大きな 大きな 大きな 足あと」

絵本を読んだ。ひらがなやカタカナが多用されてところを見ると、子ども向けなのだろうが、大人にも十分耐えうる内容になっている。というか、先に読むべきなのは、もしくは、行動に移すべきなのは大人なのだろう。そんな絵本だ。 副題は「もし全人類がひとり…

「猫を棄てる」

村上春樹さんが書いた父親についてのエッセイ。文庫化の際に購入。父親の差が、自分と村上さんの差とまで言うつもりはないが、家庭環境にも小説家・村上春樹が誕生する要因が多分にあったのだなと感じた。そして、彼の戦争観というのは、父の人生の影響が強…

「読書会の教室」

向井和美著「読書会という幸福」を読んで、読書会の存在が大きくなってきた。まずは自分が参加することからとは思っているのだが、どうも敷居が高い。というか、そう思い込んでいる。たまたまカウンターの横で飲んでいた人が読書会に参加していて、「一度、…

第82回 TAMA ハーフマラソン

コロナ禍以来、初めてレースに参加した。第82回の TAMA ハーフマラソン。大会名は「ハーフ」だが、5キロ、10キロ、秋冬シーズンには30キロ、時節に応じてフルマラソンもあるという。来月に3年ぶりとなるフルマラソンを控え、ここらで長い距離を走っ…

「英語のアポリア」

またまたエッセイを読んだ。1980年代前半に来日したトム・ガリーさんは、東大大学院の教授。そもそもは言葉オタクで、英会話教師や翻訳、辞書編纂者などをやっていた。副題に「ネイティブが直面した言葉の難問」とある。「アポリア」とは、「解決できな…

「それからの僕にはマラソンがあった」

元「暮しの手帖」の編集長・松浦弥太郎さんが書いたマラソンやランニングに関するエッセイ。サブ4やサブ3は当たり前という、いわゆるエリートランナーがじゃないところが親近感がわく。うなずきながら読んだ部分がずいぶんとあった。シューズ選びやストレ…

「動物農園」

今さらながら「動物農場」を読んだ。と思ったら、吉田健一訳は「動物農園」という題だった。もちろん原題は「Animal Farm 」。「A Fairy Story」(おとぎばなし)と副題らしきものがついている。ジョージ・オーウェルの作品の中で、「1984年」以上に邦訳…

「英語教育論争史」

仕事を英語で使う日本人は全体のおよそ1、2パーセントだそうである。ならば、中学・高校で必須科目にしなくてもいいじゃん、将来使う人は限られているのだから。ましてや、わざわざ小学校から学ばなくたって…。 こうした議論は100年以上も前から行われ…

「6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む」

この本の存在を何で知ったのかは忘れてしまったが、タイトルからして読書がらみの小説であることは確かなようだし、200ページ程度の本ならすぐに読めるだろうというのが購入の理由だったと記憶する。著者のジャン=ポール・ディディエローランさんの存在…

「カタルーニャ語 小さな言葉 僕の人生」

カタルーニャ語はおろかスペイン語もできないが、この地域には妙に興味がある。この地域にあるサッカーチーム、バルセロナのファンであるということが大きいが、独立投票が行われたり、フランコ独裁時代ににひどい目にあったりと、いろんな本を読むなかで存…

「覇王の譜」

将棋ファンにはたまらない一冊ではないか。プロ将棋のバックステージツアーに連れて行ってもらったような気分になっている。これまでの将棋小説にもずいぶん楽しませてもらったが、細部の詰め方が違う。これまでも棋士への道の厳しさや局面での心理状態は描…

「増補 本屋になりたい」

書店経営にあこがれながら、「せめてあと20年若ければ、やりたいなあ」という年齢に達してしまった(資金という別問題はあるが)。1年ほど前に毎日新聞社を辞めて書店を開業した元新聞記者の話を読んだが、彼は会社勤めの頃から計画的に準備してきた様子…

「世界を、こんなふうに見てごらん」

日本に動物行動学を紹介した日高敏隆さん。たぶん、この本が最後の著作ではないか。自分史的なエッセイでもあり、自然との付き合い方を示すような内容になっている。集英社文庫の夏のキャンペーンで並んでいるのを見て購入したのだが、夏休みに小学生高学生…

「たしなみについて」

背筋が伸びたご婦人にお説教されたような気持になった。いろいろ言われたが、そんなに気分は悪くない。むしろ気が引き締まった。白洲正子「たしなみについて」を読んでみた。本の半分を占めるのは、タイトルの「たしなみについて」。思いつくままなのか、そ…

「うんち学入門」

食事中だったら、ごめんなさい。タイトル見ただけで、いろいろと思い浮かべてしまった場合も許していただきたい。しかし、この本は排泄物について、そしてその役割について書いてあるまっとうな本なので、自分の体や、食事と排泄の関係に興味のある人にはお…

「ここにないもの 新哲学対話」

せかせかと忙しい日々を過ごしていたのに、急に時間が止まったようになってしまった。コロナウイルスに感染してしまったのである。ルートはわからない。感染対策としてやることはやっていたつもりだけど、どこか詰めが甘かったのかもしれない。幸い、1日ほ…

「カモメの日の読書」

どこで読んだのか忘れてしまったが、フランス在住の俳人が漢詩のエッセイを書いていると知った。なんかミスマッチ感が気になって、近くの書店で探しても見つからない。だいたい小津夜景さんって何者なんだ。気になる度が高かったせいで、ついネットで注文。…

「山の上ホテル物語」

作家が、ホテルに「カンヅメ」(執筆に集中させるために閉じ込めること)にされたなんて文章を読むと、ホテル暮らしができてうらやましいと思ったものだ。実際はそんなのんきなものじゃないだろうけど。文豪がよく利用したことで知られるのが、御茶ノ水にあ…

「工藤直子詩集」

角川春樹事務所から刊行された「にほんの詩集」シリーズ。シンガーソングライターで知られる中島みゆきを加えたのは目新しいが、それは置いといて、日本の著名な詩人12人の詩集を出している。その中で、一度も読んだことがなかったのが、工藤直子さん。童…

トレイルランの大会初参加へ

プロモーションのメールにつられて、突然参加を決めたトレイルの大会。周りでもやっている人もいるし、マラソン大会に比べて参加費も安いしとあまり深く考えずに手続きをしてしまったが、初参加となるといろいろと金銭的な「ハードル」があることがわかって…

朴葵姫 ギターリサイタル(トッパンホール)

久々にギタリスト・朴葵姫(パク・キュヒ)のリサイタルに行ってきた。3月の東京公演がコロナで延期になり、この7月に振り替えになっていた。感染者数は今の方が多いのに、不思議といえば不思議である。この振替公演に気づかず、当日券狙いでトッパンホー…