晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

朴葵姫 ギターリサイタル(トッパンホール)

 久々にギタリスト・朴葵姫(パク・キュヒ)のリサイタルに行ってきた。3月の東京公演がコロナで延期になり、この7月に振り替えになっていた。感染者数は今の方が多いのに、不思議といえば不思議である。この振替公演に気づかず、当日券狙いでトッパンホールへ向かった。楽々と買えるようなら応援している側としては寂しいし、向かった以上買えないのも困る。複雑で気持ちで向かったが、当日券は10枚ほどで、自分が行った時には残り2枚。400人ほどの定員のトッパンホールなので、このくらいは埋まっていないと。

公演プログラムの写真

 本人も久々の東京公演で緊張していると言っていたが、個人的にも2018年以来だ。公演は、スカルラッティソナタ3曲から。ソルの「モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲」、コスト「旅立ち」、タレガ「グラン・ホタ」までが前半。休憩をはさんで、トローバ「ソナチネ」、ヴィラ=ロボス「プレリュード第2番、第3番」、おなじみの「ショーロス第1番」と「練習曲第12番」に、一番新しいアルバムでも最後に収録されている、マーラー「アダージェット」で一旦締めた(プログラムによる)。

 アンコールには、「速い曲と遅い曲のどちらがいいですか?」とキュヒさんからの質問。最後列に座ったが後ろから見ても、挙手の数はほぼ同じくらい。「速い曲」としてタレガ「フォーコ」を弾く。鳴りやまぬ拍手に、最後は「花は咲く」でリサイタルは幕を閉じた。

 暑い夏に涼を届けてくれるような公演だった。技術的なことは相変わらずわからないないが、非常に丁寧に弾いていた印象(だからってこれまでが雑だったという話ではない)。「グラン・ホタ」は家に帰って、収録されているCD(「スペインの旅」)と聴き比べてみたが、生の方がメリハリがあるというか、音の広がりがある。スタジオと会場の違いはあるだろうけど、それ以上に表現力がついているように思えた。しかしまあ、上手いわ。

 今回のトッパンホールは、500人は入る会場だが、400人を少し超える程度の席数に抑えているそうだ。確かに傾斜の具合といい、距離感といい、こじんまりとしながらも良質な音楽を届けられるように作られているように思えた。