晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心にお出かけもあり。銭湯通いにはまっています

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

bookcafe フルハウス

原発事故で実家がなくなって「帰省」という言葉が当てはまるかどうかわからないが、親が近隣の施設にいるのだからそう呼んじゃってもいいだろう。実際、周りにはそう話しているし、故郷とは場所より気持ちの方が優先すると思っている。 今回の帰省で、機会が…

「ともだちは海のにおい」

工藤直子「ともだちは海のにおい」(絵・長新太)を引き取った。原発事故により休館していた福島県大熊町図書館が解体されることになり、昨年から図書の無償譲渡を始めた。その残りが大野駅(大熊町の駅名)においてあり、それをいただいてきたという訳だ。…

映画「丘の上の本屋さん」

タイトルからくる先入観以外は何も情報のまま映画を見た。いわゆるほっこり系な映画なのだが、鑑賞後は久々にパンフレットを購入してしまった。なんというか、余韻にひたりたくなったのだ。失礼ながら、たぶん後世に語り継がれるような作品でないだろうし、…

「統一教会」

キリスト教には関心はあるが、この本は宗教方面ではなく、社会問題の関心から手に取った。著者の櫻井義秀さんは、宗教社会学が専攻で、長くこの団体を研究してきたようだ。副題に「性・カネ・恨(ハン)から実像に迫る」とある。 自分たちの世代だと、原理研…

「音楽と生命」

3月28日に亡くなった坂本龍一さんと、「動的平衡」シリーズで知られる生物学者・福岡伸一さんの対談をまとめた本。そもそもはNHK Eテレの番組で放送された対談を加筆・編集して一冊の本になった。刊行日が亡くなった翌日の29日になっているのが、なんと…

「チャリング・クロス街84番地」

ロンドンの古書店に勤める男性と、愛書家のニューヨーク在住の女性作家の手紙による交流をメインに据えられている。1949年からおよそ20年にわたるやりとり。著者はヘレーン・ハンフで、実名で登場。副題には「書物を愛する人のための本」とある。現在…

「村田喜代子の本よみ講座」

このところ村田喜代子さんが気になる存在である。昔から存在自体は知っていたのだが、文庫化される本が増えてきたせいなのか、ちょっと身近になった気がしている。こちらが歳をとることによって、接近してきたような感覚かもしれない。九州を拠点とする作家…

「『深い河』創作日記」

「深い河」(ディープ・リバー)を読んで、もうちょっと考えを整理したいと思い、続けて読んだ。前半がそれこそ創作過程の日記。後半というか巻末が、「宗教の根本にあるもの」という対談をまとめた文章になっている。これが「深い河」で遠藤周作さんが訴え…

「深い河」

「ディープ・リバー」と読む。遠藤周作さんの後期の代表作と言っても差し支えないだろう。彼なりの、神についての一つの結論が書かれているという。若松英輔「日本人にとってキリスト教とは何か 遠藤周作『深い河』から考える」が読みたかったのだが、書店で…