晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「サウナ語辞典」

 こんな本を読んでいる暇はないのだが、手に取って読んでみるとエピソードが面白いし、イラストもいい。紙も軽くて、触った感じがいい。ランニング後に寄る銭湯にはサウナ付きも多い。たぶん月に3、4回は入っていると思う。中規模以上の銭湯だと、サウナが追加料金ゾーンとなっていて、そちらの方に人が多い場合もしばしばある。銭湯 > サウナの自分としては、やや寂しい気もする。とはいえ、サウナハットを買おうかと迷っている自分がいる。あいうえお順に項目が載っている「辞典」だが、読むのが楽しくてしょうがない。

 父がサウナ好きだったので、サウナ歴は長い。5歳くらいにはサウナに入っていた。この辞典によると、第3次サウナブーム(1964ー1972)にあたる。「産湯」と呼ぶそうだが、初サウナの場所は思い出せない。たぶん原ノ町(現・南相馬市)のどこかである。2017年以降は、第5次に入っているそうだ。ドラマやSNSなど情報量があふれている。サウナ室内で熱気を拡散させる「熱波師」の技に「フラッグ」「ヘリコプター」「パラシュート」などと名前があるとは知らなかった。図で見ると、割と素直な命名なのだが……。こんな本がでるのもブームの証明なのだろう。

 紹介されているエピソードは、やはりフィンランドがらみが多い。フィンランドは五輪の選手村にサウナを準備していた。そんな中で各国に広まっていた。日本には、戦前の陸上選手たちが遠征や視察でサウナの存在を知り、日本にも導入しようとしたとのことだ。第1次ブームは1924年に始まる。

 サウナだけに「サ行」が多い。「サウナダファミリア」は「サ道」というドラマに登場した言葉らしい。常に改良を続けて、完成しないような店を作りたいと文脈で作られた言葉らしい。サウナ室内で曇らないめがねも開発されているとは驚いた(「サウナメガネ」)。サウナの入り口に、メガネ置きがなくなる日も近いのか。

 サウナ各店の取り組みを細かく紹介していて、著者の草彅洋平さんとAMAMI(チームです)さんは丁寧に取材されているのだなと感じる。浜竹睦子さんの、主張しながらも邪魔しないイラストも素晴らしい。

 実はまだ読み切っていない。なんか惜しいのだ。面白い本だとたまにこのような感情が芽生える。とはいえ、いつまでも付き合っているわけにはいかないので、後20ページほどを今日中に読んでしまうつもりだ。