晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「キラキラ共和国」

 「ツバキ文具店」の続編「キラキラ共和国」が文庫化されたのでさっそく読んでみた。文具店の店主で代書屋のポッポちゃんこと鳩子が、ミツローさんと結婚して、その娘のQPちゃんと家族になるところからスタート。いろんな代書の依頼やちょっと身近な食べ物の話は相変わらず。作者の小川糸さんが書く、食べ物の描写は押しつけがましくなくて、なんか受け入れられる。

キラキラ共和国 (幻冬舎文庫)

キラキラ共和国 (幻冬舎文庫)

 

  続編になるとパワーが落ちる作品が少なくないが(読むほうも新鮮味がないし)、「キラキラ共和国」は維持されているように思える。「ツバキ文具店」で打っておいた伏線が生きているというか、人物の描写が過剰じゃない分だけ受け入れる余地があるというか、デザートは別腹というか。

 家族となったポッポちゃんとミツローとQPちゃんが家族としてよりまとまっていく姿や、「ツバキ」にはほぼほぼ出ていなかったポッポちゃんの母親の登場、亡くなった代書屋の先代(祖母)との関係(相手が亡くなっているのでポッポちゃん側のわだかまりというべきか)の修復など、読みどころは多い。電車の中で読んでいて、「何がキラキラなの?」と知人の子(小学生)に突っ込まれたのには困ったが、後半にはタイトルに触れる部分も出て大団円。

 ミツローさんのお店の新メニュー「二階堂カレー」はぜひ読んで確かめてほしいところ。突飛といえば突飛だが、身近ながらカレーと合わせる具としてはあまり想像できなかったものとの組み合わせだ。最近のコンビニでも売ってそうなので、レトルトと合わせて、マイ「二階堂カレー」でも作ってみようか。