晴走雨読 横鎌日記

無理しないランニングと気ままな読書について綴ります。横浜と鎌倉が中心。映画やお出かけもあり

「タンジェリン」

 トランス・ジェンダー二人のハチャメチャな(?)クリスマスイブを描いた映画「タンジェリン」を見た。これは橫浜ではやっていない。関東では、現在のところ、渋谷のイメージ・フォーラムのみ。iPhone5S3台で撮った低予算映画だが、結構ホロっとさせられる部分もあり、印象的な映画だった。チープといやあチープだが、悪くないというか、正直良かった(個人の感想です)。

 ここは南半球かって思わせるほど日が燦々としている、ロサンゼルスのクリスマスイブ。二人の女性(というべきだろう)がドーナツショップにいた。出所したばかりの娼婦シンディ(キタナ・キキ・ロドリゲス)は、友人で歌手志望のアレクサンドラ(マイヤ・テイラー)から、恋人のチェスターが28日間の服役中に「本物の女」と浮気していたと聞き、物語がいきなり動き出す。頭文字がDとしか知らないのに、怒り心頭で浮気相手を捜し回る。

 一方、アレクサンドラは夜にライブを控えている。自ら小さい会場を有料で借りたもので、自制の効かないシンディについていく間も、友人たちに「来てね」と声をかける。ここに絡んでくるのが、アルメニア人移民のタクシー運転手のラズミック(カレン・カラグリアン)。タクシー運転手として真っ当な生活を送っているシーンが続くが、徐々に彼の性的嗜好もあきらかになっていく――。

 カメラワークの事はよくわからないが、場面が粗く見えることで、躍動感やライブ感が生じる効果があるように見える。シンディが浮気相手を捜し当てた場面は、カメラが動くごとにそれぞれ別の性的シーンが映し出され、いったいこのアパートに何人の客と娼婦がいるのだと驚いてしまう。脚本・監督のショーン・ベイカーによると、カメラがiPhoneなので、演技経験のない二人を萎縮させず撮影する効果があったと話している。

 この映画でマイヤ・テイラー助演女優賞などを受賞。トランスジェンダー役者としては初の快挙で、この映画をきっかけに役者への転身するという。映画で一貫する毒舌混じりの軽妙なやりとり。もっとこの系統の英語ができたらより楽しめたかも知れないが、洋画にはつきものの課題だし、それはそれでよし。