「下半身と体幹を鍛えよ!」という帯につられて本書を手にした。いかにもシニア世代を意識したようなタイトル。自分では「シニア予備軍」としてシニアとは一線を画しているつもりだが、傍目にはそんなに違いはないはず。運動量が減ってきた、気持ちが萎えてきたと思うときにはこの手の本を読んで気分を上げることが多いが、この本はランニングとは直接関係はない。体を鍛える、状態をキープするという意味では示唆するところはある。気分的には軽く鞭が入った程度か。
日本人が世界で一番座っている時間が長い、というデータが紹介されている。しかし、世界20カ国だけの統計に基づいたものなので、世界一というのは少し眉唾だが、平日に座っている時間が420分というのはかなり長いのは間違いない。その統計では日本とサウジアラビアが並んでトップだそうである(なぜ、サウジ?と気持ちも生じた)。特にIT技術の発展により、仕事の多くはコンピューターの前に座って済ませることが増えている。確かに昔に比べて脚を使わなくなってきていることは実感できる。
ざっとまとめてしまえば、筋肉は「怠け者」。使わないと低下するので、しっかり使いなさいという内容。特にその対象が下半身と体幹だそうだ。そのための対策や効果的なトレーニング法が記されている。特にローイング(近くのジムにはなかった)が筆者のオススメらしく、全身70%の筋肉が動員されるという。こんなことを聞くと、一度やってみたくなる。食事に関しては特に目新しい情報はないと見たが、あらためて言われるとちょっと気を遣うようになる。人間ドックの結果で、週に二度ほど休肝日を作れと書かれたが、これを守って、食事にも目配りがなされれば、もうちょっと速く走れる体のもとができるだろうか。
走るよりも、少し筋トレを増やそうかなとう気持ちにはさせられた。