晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「英語の名句・名言」

 英語物が続く。古書店で買ったもう一冊がこの本。正直言うと、思惑は少し外れたのだが、これはこれで面白いと思った。110円のもとは十分にとれたし、本の状態もいい。ピーター・ミルワードさんは2017年に亡くなっている。訳者の別宮貞徳さんはまだ存命のようだが、90台の後半に差し掛かろうというところ。お元気だろうか。

 思惑と違った部分とは、もう少し英語学習物かと思ったところ。英語の名句や名言とともに、語釈がついているかと思った。しかし、そもそもミルワードさんが書いた「Golden Words of England」を別宮さんが訳した本。英語で書いた本に、日本語読者のための語釈なんてついているわけない。ただし、彼が選んだ名言は滋味があり、シェークスピアやその時代の英国を理解するのには良い助けとなる。

 ミルワードさんが選んだ100の名句・名言の多くはシェークスピアから。ワーズワースやミルトン、ブレイクやキーツなどがわきを固める。そらんじたり、会話のトピックにできたりしたらいいかなと思いつつ、そんな時代じゃない。むしろ引かれるのは間違いないだろうが、英国人や欧州人相手の基礎教養として、かけらでも頭の隅に残っていたらと思う。

 最後に少し内容を紹介する。これが「天才とバカは紙一重」のオリジナルなのだろうか。ジョン・ドライデンという17世紀の詩人の言葉だ。

Great wits are sure to madness near allied, 

And thin partitions do their bounds divide

才気と狂気は縁つづき、

薄い仕切りが二つを分かつ。

 「ジャングルブック」などで知られるキプリングの言葉もいい。今でも通じる。それぞれの国に当てはめてもいけそう。

What should they know of England

Who only England know?

イングランドしか知らない人に、

イングランドの何がわかるか。