初めて買ったのが、2016年11月。買った場所も大船のくまざわ書店と覚えている。文庫翻訳ミステリーのベスト10発表につられた形だった。この「IN★POCKET」が書店から届く生活が当たり前になり、文庫翻訳ミステリーには今年こそは一票入れようと、翻訳物のミステリーをいくつか読んでいたのに…。かなり残念。休刊のあいさつに、「紙の雑誌としては一定の役割を終えた」と書いてあったが、単純に売れてなかったんだろうなと思う。PRとしては、もう紙じゃなくてもいいんじゃないってところもあるかもしれない。値段の割には充実していたのに残念である。
最終号となった8月号を読んでみる。「ハゲタカ」主演の綾野剛と原作者の対談。綾野剛については意識してドラマを見たことがないが、非常に原作をしっかりと読み込んでいて俳優として興味を持った。この対談通りの人ならば、文芸評論もできるようなレベルで本を読める人ではないだろうか。ファンならぜひ手に取ってほしい対談となっている(と思う)。見かけと違って(? 良く知らないけど)、よくしゃべるという印象だ。
土井ラブ平「落語通信」。これを読めなくなるのが一番残念。どこかで継続してくれないか、もしくは、これまでの分を単行本化してくれないか。講談社にお願いしたい。
この「IN★POCKET」、個人的には講談社文庫購入のきっかけになっていた。その意味では、PR誌の役割は果たしていた。現代新書やブルーバックスにはよく目が向くし、学術文庫や文芸文庫はラインナップが気になるのだが、なんか講談社文庫には関心が薄かった。竹本健治などはこの「IN★POCKET」がなければ出会わなかったかもしれない。休刊を惜しみながらも、感謝。